
柏木孝夫(かしわぎ たかお)氏
コージェネ財団 理事長
東京工業大学 特命教授/名誉教授
専門はエネルギー・環境システム。経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し長年、国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー分科会長、基本政策分科会委員、総務省の「自治体主導の地域エネルギーシステム整備研究会」の座長などを務める。主な著書に「スマート革命」「エネルギー革命」「コージェネ革命」など。
コージェネ大賞は、コージェネ財団が2012年度に創設。「民生用部門」「産業用部門」「技術開発部門」の3部門で「理事長賞」「優秀賞」「特別賞」を選定する。優れたコージェネレーション(熱電併給)システムを表彰することで、コージェネの有効性を広く社会に認知してもらい、普及促進につなげることが目的だ。今回は合計20件の応募案件から、民生用部門6件、産業用部門5件、技術開発部門2件を選定した。
2016年11月には、20年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みを定めた「パリ協定」が発効。世界は「低炭素」から「脱炭素」へと大きく舵を切った。これまで以上の省エネが求められる。
コージェネを活用した地産地消型の分散型エネルギーシステムを構築し、熱を無駄なく使うこと、さらにはCO2も有効利用することが不可欠になる。持続可能で災害に強いまちづくりや、地域経済の活性化にもつながる。エネルギー・環境制約を新たな経済成長に転換できるものと確信している。