東日本大震災の教訓を踏まえ、大規模自然災害などに備えた強靭な国づくりが要請される中、その基盤となるエネルギー供給ネットワークの再構築が喫緊の課題となっている。新年度に入り、「エネルギー基本計画」や「国土強靭化基本計画」、さらには安倍内閣の新たな成長戦略を示した「日本再興戦略改定版」が相次いで閣議決定された。防災にとどまらず、国土政策や産業政策も含めた総合的な対応によって、国の持続的な成長を目指す。
国土強靭化の推進にあたり、コージェネレーション(熱電併給)システム(以下、コージェネ)は、医療や福祉施設をはじめとする重要拠点に対してエネルギーを供給し、平時にも有事にも大きな役割を果たす自立・分散型システムとして期待されている。
コージェネ財団が2014年7月23日に開催した特別講演会「国土強靭化とコージェネレーション」では、国土強靭化に向けた具体策の1つであるコージェネの活用について、さまざまな観点から提言がなされた。

柏木孝夫 コージェネ財団理事長
コージェネ財団の柏木孝夫理事長は開会挨拶において、「コージェネは、この3月末で導入量が1000万kWを超えた。分散型電源としての特長を生かし、平時の省エネ、有事のBCP(事業継続計画)などで重要な役割を果たせることが、産業界をはじめ広く社会で認識されつつある。これまでの延長線上に今後のエネルギーシステムが存在するのではなく、今の技術開発のレベルに合った新しいエネルギーシステムが必要」と指摘。「大規模な電源をベースに、コージェネのような高効率なシステムや、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入しながら、デマンドサイドのデジタル革命を推進すべき」とし、国内のエネルギーシステムのグランドデザインを示した。そして、エネルギーとインターネットを一体化させたスマートコミュニティの構築が要となり、そこから創発される「付加価値ビジネス」の時代が到来しつつあることを強調した。