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[コージェネ財団 特別講演会2016レビュー5]パネルディスカッション 新たなビジネス展開とコージェネへの期待(後編)

[コージェネ財団 特別講演会2016レビュー5]パネルディスカッション 新たなビジネス展開とコージェネへの期待(後編)
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2016年9月21日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

前回に続き、コージェネ財団が7月21日に開催した特別講演会で、「新たなビジネス展開とコージェネへの期待」をテーマとするパネルディスカッションの後編。パネリストの三菱地所開発推進部の井上俊幸部長、日立製作所産業・流通ビジネスユニット産業ソリューション事業部産業ユーティリティソリューション本部の古賀裕司本部長、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課の片山弘士課長補佐の3人と、コーディネーターのコージェネ財団の土方教久専務理事が、コージェネレーション(熱電併給)システムを活用した新ビジネスの可能性を展望する。

熱を使い切るには企業間の連携も必要

土方教久氏(以下敬称略):日立製作所の古賀さんは顧客企業に省エネルギーソリューションを提供する立場です。その中でコージェネをどのように活用しているか、今の状況を教えてください。

古賀 裕司(こが ゆうじ) 氏
古賀 裕司(こが ゆうじ) 氏
日立製作所 産業・流通ビジネスユニット 産業ソリューション事業部
産業ユーティリティソリューション本部 本部長

古賀裕司氏(以下敬称略):企業にとってのエネルギーは、従来のようにサプライサイドからデマンドサイドに一方通行で流れてくるというシステムから、双方向に融通し合うという新しいシステムに変わりつつあります。このようにエネルギーを取り巻く環境が変化する中では、企業自身が事業戦略を支えるエネルギー戦略をどう構築し直すかが問われます。我々は顧客企業にそういう働きかけをしながら、省エネソリューションを提案しています。

 日立はこれまでに国内212件、海外を含めると228件の省エネソリューションを提供してきました。内訳は産業分野が約7割、業務分野が約3割。コージェネを導入したソリューションは全体の4分の1です。ある化学メーカーの工場では、コージェネを導入し、余剰蒸気を使って発電することでCO2排出量を5%削減する取り組みを進めています。

 こうした取り組みにおいて大事なのは、データで裏付けし、納得いただける処方箋を示すこと。日立はエネルギーマネジメントシステム(EMS)「EMilia(エミリア)」に蓄積した電力使用データをもとに需要を予測し、コージェネや再生可能エネルギーを組み合わせながら、コストメリットがあり環境性、省エネ性の高い最適なエネルギー戦略を描き提案しています。高度にコージェネを活用し、さらなる付加価値を提供することを目指しています。

土方: コージェネは排熱を利用できるためエネルギー効率が高いことが長所です。ただし単独企業では熱を使い切れず、メリットを生かし切れないことも多々あります。企業の枠を超えて手を結ぶことでより効率を高められますが、その点はどうお考えでしょうか。

古賀: コージェネを最大限有効に活用しようと思えば、当然、共同利用は必要な取り組みです。コージェネを導入したけれど熱があまってしまうという時、隣で熱を使う企業に融通すれば全体の事業性が良くなりますから。こうした連携による面的利用は大いにポテンシャルがあると考えており、私たちも興味を持っています。

片山弘士氏(以下敬称略):今のお話に当てはまる事例があります。日産自動車が新規にコージェネを導入したところ、自社では熱を使い切れなかったことから、道路を挟んで隣接するJオイルミルズへの熱導管を敷設し、熱を供給したというものです。

 コージェネは熱をいかに使いこなすかがポイント。土方さんがおっしゃる通り、単独の需要家だけで使い切るのは難しく、地域で使うとか、隣の需要家に融通するなどの連携をとることが必要です。今後は単純に熱導管を配管するだけではなく、年間を通した需要パターンを分析し稼働率を高めるといった取り組みも重要なのではないかと思います。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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