
コージェネ財団 理事長
柏木孝夫
気候変動問題が深刻化する中、世界的にカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの加速が求められている。一方、米国の第2次トランプ政権は地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの再離脱を表明した。ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化もいまだ残り、世界のエネルギー情勢の行方は混沌としている。
そのような中、国内ではエネルギー政策のバイブルとなる「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定された。
2040年度の電源構成について再生可能エネルギーを4~5割程度と、主力電源として最大限導入することを示すなど、脱炭素社会の実現に向け着実な前進を図ろうという内容になっている。
「コージェネシンポジウム2025」の開会挨拶に立った柏木孝夫コージェネ財団理事長は「生成AI(人工知能)の普及や半導体工場・データセンターの立地需要拡大により、現在1兆kWhほどの国内の消費電力量は、2040年に1兆1000億~1兆2000億kWhまで増えると見込まれている。グリーントランスフォーメーション(GX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)を一体で解くことが必要になっている」と現状を説明した。
かつて、電力料金は総括原価方式で決められ、電力会社は電力需要のピークに合わせて電源をつくってきた。しかし、自由化が進んだ今、稼働率の良くない大規模電源の維持は難しくなっている。カーボンニュートラル達成に向かうプロセスの中で、また合理的なエネルギーの需給構造を構築する上で、分散型電源の重要性が増していく。
柏木理事長は「系統をうまく利用できる形でエネルギーシステム改革を進める必要がある。熱需要のある場所に分散型電源を導入し、自然エネルギーの供給量や電力需要に応じてデマンドレスポンス(DR)を実施するバーチャルパワープラント(VPP)機能を持たせるなど、合理的なエネルギーシステムを構築していかなくてはならない。分散型電源の要として、コージェネレーション(熱電併給)システム(以下、コージェネ)が果たすべき役割は大きい」と語り、コージェネのさらなる発展や普及促進に意気込みを示した。