スペシャルリポート

コージェネは成長戦略の要
最大限の活用で強靱なエネルギーネットワークを

業務用コージェネ導入で重要な都市部の面的利用

 続いて基調講演として早稲田大学大学院先進理工学研究科教授で、同大学先進グリッド技術研究所所長でもある林泰弘氏が登壇。分散型電源が電力系統と協調しながら役割を果たすエネルギーシステムのあるべき姿を提示した。エネルギーレジリエンス(強靭さ)の観点から、需要家が需要量を変動させて電力の需給バランスを保つ「デマンドレスポンス」や、系統が不安定になる状況が発生した時にも電力の品質を確保し運転を継続させる「FRT(Fault Ride Through)」などの仕組みが必要と指摘。今後の展望として、HEMS(住宅エネルギー管理システム)、BEMS(ビルエネルギー管理システム)などエネルギー消費の自動マネジメント、コージェネや再生可能エネルギーなどの分散型エネルギーを導入し、ICT(情報通信技術)でそれぞれを結ぶことで自律・持続・復元可能なスマートシティを目指すべきであり、その実現には産官学の連携が欠かせないと強調した。

 一般講演はコージェネに関して先端的な取り組みを行う5社が行った。ヤンマーエネルギーシステム開発部スマートシステムグループ主任の河野達也氏と長尾昭宏氏は発電容量5~35kWまでのコンパクトな「マイクロコージェネレーション」を活用した電源セキュリティ対応システムの事例を紹介。川崎重工業ガスタービンビジネスセンタープロジェクト部常用発電課課長の中安稔氏は震災後、電源セキュリティの向上、熱の面的利用、副生燃料の有効活用などに広がった顧客ニーズに応えるための技術開発について述べた。

 三菱重工業汎用機・特車事業本部エンジン事業部エンジン技術部次長の遠藤浩之氏はガスエンジンを用いた全蒸気回収システムの開発などの最新熱回収技術動向を紹介。大阪ガスエネルギー事業部エネルギー技術部コージェネ技術チームの深江守氏は、コージェネの付加価値を高めるためにJFEエンジニアリングと共同開発で進める出力向上、全蒸気回収システム、バイオガス混焼システムについて説明した。竹中工務店大阪本店設計部設計第6部門設備グループ長の坂口佳史氏は今春、大阪市にオープンする高さ日本一の立体都市「あべのハルカス」に導入したメタン発酵式バイオガスコージェネの概要を紹介した。

 一般講演に続いて、「スマートコミュニティにおけるコージェネの役割と期待」と題したパネルディスカッションも実施。柏木ACEJ理事長がコーディネーターを務め、千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻教授の村木美貴氏、鹿島建設専務執行役員建築設計担当の長谷川俊雄氏、日立製作所インフラシステム社都市システム本部担当本部長の稲田和広氏、東京ガススマエネ推進部長の菱沼祐一氏がパネリストとして登壇した。

コージェネ大賞の表彰式

コージェネ大賞の表彰式
 

 また、ACEJは昨年12月、2013年度の「コージェネ大賞」として、「民生用部門」「産業用部門」「技術開発部門」それぞれに「理事長賞」「優秀賞」「選考会議特別賞」を選定している。シンポジウムでは各賞受賞者の表彰、総評と理事長賞に選ばれた3件の事例発表も行った。

 閉会の挨拶では石井敏康ACEJ専務理事が「業務用コージェネ導入量の4分の1は都市部の面的利用になると推定している。平常時の省エネと非常時のBCP(事業継続計画)に資するコージェネの普及を目指し、様々なステークホルダーとコミュニケーションを取り協力しながらエネルギーの需給構造を根本から変える力となりたい」と話した。

 
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