続く基調講演で登壇した東京大学大学院経済学研究科の伊藤元重教授は、「エネルギーシステム改革と経済再生」をテーマに講演。その中で伊藤氏は、航空業界での規制緩和や、通信のアンバンドリングなどを例に、エネルギーシステム改革と、これまでの他分野における改革との共通点を指摘。そして、エネルギーシステム改革によって民間投資を喚起し、日本の成長を促すための要件として、「競争」「業界再編」「新規参入」「技術革新の不確実性」「多様性」「デマンド」の6つを挙げた。自由化によって、競争や業界再編、新規参入を促し、技術革新の不確実性を受け入れるための多様性を確保すること。また、サプライ一辺倒であった議論から、デマンドサイドにも焦点をあて、社会全体の中でエネルギーについて考えることの重要性を説いた。
特別講演には、芝浦工業大学 工学部 建築工学科の村上公哉教授が登壇。欧州コージェネ市場調査団の一員として2014年9月に実施した現地調査に基づき、欧州市場の動向や、電力システム改革で先行するデンマークの取り組みについて報告した。デンマークでは、全世帯の約60%がコージェネの排熱などによる地域熱供給を利用していると説明。その普及の要因は、「政策面だけでなく、様々な熱の生産者が関与できるようになっている特徴的な供給インフラにある」と指摘した。

土方教久コージェネ財団専務理事
シンポジウムの最後を締めくくるパネルディスカッションでは、「スマートコミュニティが創る地域の未来」をテーマに意見が交わされた。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の伊藤明子次長、竹中工務店 スマートコミュニティ推進室の児玉正孝室長、東京ガスの救仁郷豊副社長らがパネリストとして登壇。柏木コージェネ財団理事長がコーディネーターとなり、議論を深めた。
このほか、エネルギー市場の調査研究や、コージェネ関連技術の開発を手掛ける4社による一般講演、「平成26年度コージェネ大賞」の表彰式および受賞企業による事例発表も行われた。
閉会の挨拶でコージェネ財団の土方教久専務理事は、コージェネの活用で様々な便益を生むコーベネフィットの実現を目指す「コージェネでコーベネ」というスローガンを掲げ、今後もコージェネ関連事業の支援を積極的に行っていくことを強調。同時に、「ベストミックスの議論では、いま一度、エネルギー面でのコージェネの価値も見直し、しっかりと位置づけてほしい」と語った。