スペシャルリポート

欧州コージェネ市場調査報告
デンマークにおけるエネルギー市場とコージェネの役割

電力市場の調整電源としてコージェネを活用

 デンマークにおいて地域熱供給が普及している、政策的かつシステム的な要因の1つが、その事業構造が生産、輸送、配給の3つに分かれている点です。日本では電力システム改革の発送電分離を思い浮かべますが、それと似た事業構造といえます。

 例えば、あるエリアで熱を供給する場合、複数の自治体を通る形で輸送を行っており、そうした中で、コージェネからの排熱、清掃工場からの排熱、あるいは工場から出る排熱などを含め、さまざまなプレーヤーが、この熱輸送のパイプラインへ熱を卸しています。こうした地域熱供給のシステム構造の普及が、コージェネの普及にも貢献しているのです。

「コージェネが、発電と熱供給という機能のみならず、電力市場全体の調整電源として重要な役割を果たしているのです」(村上氏)
「コージェネが、発電と熱供給という機能のみならず、電力市場全体の調整電源として重要な役割を果たしているのです」(村上氏)

 デンマークは、北欧とバルト諸国などで国際電力卸売市場を形成しており、このスポット市場は、「1日前市場」と「当日市場」の2つに分かれています。いずれもオークション形式で、1日前市場では、発電した電力を売買したい事業者らが、前日の正午までに、翌日の時間ごとの希望売買量と価格を入札し、これらを集計して価格と取引量が決まります。前日の正午で市場が終了し、次に引き渡しの1時間前までは、当日市場で取引されます。同じように希望する売買価格と量を入札しますが、こちらでは先着順で取引されているのが1日前市場と異なる点です。

 価格競争力のある電源から利用されていくことで、価格は決まります。風力発電の電源構成比が上がると価格が安くなり、風力発電が価格決定に大きく影響していることが分かります。

 その電源調整の部分において、コージェネが深く関わっています。風力発電が増えると価格が下がり、風力発電が減ると価格が上がります。そして、風力発電の増減に合わせて大規模や中小規模のコージェネの出力を上げ下げすることで、需給ギャップやスポット価格変動を吸収するように電源調整を図っているのです。

 デンマークでは、オイルショック以降、電力システム改革が進められ、風力を中心に再生可能エネルギーがますます導入されてきています。そうした中で、コージェネが、発電と熱供給という機能のみならず、電力市場全体の調整電源として重要な役割を果たしているのです。

 
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