スペシャルリポート

自由化時代における
エネルギー・環境イノベーション戦略(後編)

地域エネルギーの効率利用と強靭化を支えるコージェネ

柏木: 久間先生、Society 5.0に向けた取り組みの中には、エネルギーや交通システムなど様々な対策がありますが、どれもプライオリティは一緒なのでしょうか。

久間: いいえ、そんなことはありません。現在、11システムを掲げていますが、その中でエネルギーシステムはコアシステムの一つに位置づけています。また、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)でも11プログラムを進めていますが、そのうちエネルギー関連は4テーマで、非常に割合が高いです。

「先進国の中で技術立国日本が一歩先に抜け出すためには、熱まで使い尽くす地産地消システムをいち早く進めていくことが重要です」(柏木)
「先進国の中で技術立国日本が一歩先に抜け出すためには、熱まで使い尽くす地産地消システムをいち早く進めていくことが重要です」(柏木)

柏木: 超スマート社会というのは、System of Systemsなのですね。デマンド側でスマートコミュニティがたくさんできて、その上にまたシステムをつくる。例えば、複数のテーマを横断した統合的な対策はできないのでしょうか。

久間: エネルギーシステムもSystem of Systemsの戦略で進めるべきですね。さらに、もっと広い視野でSystem of Systems の考えを導入する計画です。例えば、高度道路交通システムとか、ものづくりシステムとか、これらをバラバラに開発するのではなく、共通のプラットフォームを構築することによって、複数のシステム間を連携協調します。そうして、より大きなシステムをつくり、新たな価値を創出することがSociety 5.0の目指すところです。

柏木: インフラ構築では、強靭化という観点も非常に重要です。

杉山: 強靭化は分散型エネルギーが得意とするところです。日本のように自然災害が多い国では、やはり集中型の電源よりも分散型の方が復旧も早い。エネルギーを地産地消するということは、地域のエネルギーのレジリエンスを高めることにもつながるはずです。また、これを実現するためには、コージェネが非常に大きな可能性を持つと考えます。

久間: 熱の活用については、様々な可能性が考えられます。コージェネというと寒冷地での利用と考えがちですが、杉山先生の話ですと、イタリアなど温暖な地域でもコージェネによる熱が使われていることが分かりました。日本でも熱活用のアプリケーションを広げながら、事業者を増やすことが必要です。そのためには、政府の支援のほか、例えば、地方自治体と地方大学とが一体となってビジネスモデルを考えていくなどの取り組みを期待します。

柏木: 強靭化の面からも、気候変動対策と経済成長を両立し、地域を活性化するという観点からも、地産地消型の分散型エネルギーシステムの構築が極めて重要なことを改めて確認できました。また、そのためにもコージェネが大きな役割を担うことが期待されることも肝に銘じて、その普及拡大に尽力していきたいと思います。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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