スペシャルリポート

新たなビジネス展開と
コージェネへの期待(前編)

コージェネ導入で「防災拠点機能ビル」に

土方:三菱地所の井上さんはまちづくりを推進するデベロッパーの立場です。現在、どのような形でコージェネ導入を進めていますか。

井上 俊幸(いのうえ としゆき) 氏
井上 俊幸(いのうえ としゆき) 氏
三菱地所 開発推進部長

井上俊幸氏(以下敬称略):コージェネを使った先進的な事例をご紹介しましょう。東京・大手町で国の合同庁舎跡地を種地に土地区画整理事業と市街地再開発事業を組み合わせて進めている「連鎖型再開発事業」の一つのプロジェクトで、今春竣工した「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」です。

 このビルのテーマは「防災拠点機能ビル」です。大手町近辺は企業本社が集積していることもあり、入居者からは災害など万一の時にも業務を継続したいという要望が強くあります。そこで我々は大手町、丸の内、有楽町エリア全体の連携による防災対策「Business Continuity District(BCD)」構築に動き出していますが、グランキューブはまさにBCDの象徴的な存在です。

 まず第一にコージェネを導入。非常時に共用部分だけでなくオフィス部分にも電力を供給し、業務を継続できるようにしました。地域冷暖房システムも設置。常に空調が稼働するよう配慮しています。上下水の自立性も確保。井戸を掘り、非常時に飲料用や生活用として使えるようにしたほか、ビル内の下水を処理する施設もつくっています。普段はビル内の旅館やフィットネスクラブが使う温泉は災害復興時には活動要員らに利用してもらいます。グランキューブに隣接する土地では、外国語による総合的な医療サービスを提供する「国際メディカルモール」を整備していますが、災害時にはこのモールとも連携し、要救護者、帰宅困難者を受け入れてもらいます。

土方:きめ細かくBCPに配慮したつくりになっていますね。入居する企業からの反応はいかがですか。

井上:地震リスクが高い日本では、入居者は防災対応に強い関心を持ちます。業務の継続性を担保したグランキューブの防災機能は高く評価され、ほぼ満室で稼働をはじめました。今後、三菱地所が手がけるすべてのビルにここまでの機能を備えるわけではありませんが、防災対策をきちんと講じ、アピールするというプロセスは必要だと思っています。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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