スペシャルリポート

[コージェネシンポジウム2017レビュー3]
特別講演
海外コージェネ導入調査報告(タイ、ミャンマー)

発展段階やインフラ状況に応じた提案を

 ミャンマーはタイとは異なりまだ経済発展の途上の国です。「タイの50年前、ベトナムの20年前」と言われ、今後の成長が期待されます。国内の主要産業はアパレルや製靴など。労働集約的でエネルギーをあまり使わない産業が中心です。

「東南アジアの各国は発展段階も位置づけも異なるので、広い視野を持ち、継続的に観測しながらチャンスをうかがうことが必要だと考えます」(山口氏)
「東南アジアの各国は発展段階も位置づけも異なるので、広い視野を持ち、継続的に観測しながらチャンスをうかがうことが必要だと考えます」(山口氏)

 インフラもまだ整備途上です。道路は穴が多く時速20kmほどの走行がやっと。電力インフラも十分ではありません。電力会社は国営で総発電量の過半が水力発電です。総発電量は日本の0.1%ほど。電化率は4割弱にとどまります。電源不足の上に送配電網が古く低効率です。停電も1日1回はあります。天然ガスを産出しますが、それらはほぼ海外への輸出に充てられています。国内に残る分はほぼ火力発電所に回っているため民生用、家庭用には普及していません。ヤンゴン市内でもガス導管網が敷設されていない状態です。

 ミャンマーで視察したのはティラワ経済特別区。現在、ミャンマー政府はこうした特別区でのインフラ整備に国を挙げて注力しています。ティラワ特別区は2012年に日本とミャンマーで合意し開発がスタートしたもので、15年9月に第1期が、16年7月に第2期が開業しました。1期2期合わせて400ヘクタールに80社が入居する計画で、既にほぼ完売しています。半分は日系企業で機械メーカー、アパレルメーカーが進出済み。食品メーカーなどが今後進出予定です。ティラワ火力発電所は50MWのガス焚きコンバインドサイクルです。

 ミャンマーでの視察からは、ティラワ経済特別区のようにエネルギー需要の集積したエリアでコージェネの提案余地が大きいと感じました。エネルギーインフラが整うまでのつなぎの期間、安定操業をするためにも自立分散型電源としてコージェネの魅力は大きいと思います。

 課題は発電設備に民間投資を呼び込むインセンティブを確保すること。また発電・熱供給設備の設置、運営にかかわる許認可を簡略化することも必要でしょう。

 今回、タイとミャンマーの2カ国を調査しましたが、タイはインフラ整備が完了し、製造業を集約して高度な都市化を進めようという段階であり、一方のミャンマーはインフラ整備がまだ途上で労働集約型産業を主体としている状況と、事業環境は大きく異なります。当然、コージェネの位置づけも異なり、タイでは「省エネの深化、製造業の体質強化」を、ミャンマーでは「安定操業確保のための自立分散型電源」を切り口として提案することが有効と思われます。他方、「熱需要に対する最適システムの設計・提供」「供給信頼性を確保できる施設運用」で他国と差別化した提案が重要であるという点は両国とも共通していると考えます。

 2国に代表されるように東南アジアの各国は発展段階も位置づけも異なります。広い視野を持ち、継続的に観測しながらチャンスをうかがうことが必要だと考えます。

 
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