スペシャルリポート

コージェネから「トリジェネ」に発展へ
熱・電気・CO2を有効利用し価値創生

新たな価値創生に挑戦しコージェネの普及拡大を

山﨑隆史 コージェネ財団専務理事
山﨑隆史 コージェネ財団専務理事

 続いて「エネルギーシステム改革と日本経済」をテーマに、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会の八田達夫委員長、日本総合研究所の翁百合副理事長と柏木理事長の3人が鼎談を行った。電力・ガス小売り全面自由化の現状や政府が今後の経済成長戦略としてまとめた「未来投資戦略2017」の概要を押さえた上で、エネルギーを通じて日本経済が成長していくための方向性や課題について、環境性、地方創生、強靱化の切り口で議論を進めた。いずれの面でもコージェネシステムが機動力の1つになることが指摘された。

 システム改革によって、国内では多様な電源を活用しながら省エネ性に優れたエネルギーシステムの構築が進んでいくと予想される。国内でのエネルギー産業の規模拡大は容易ではない。3人はエネルギー分野の成長を考えるならば海外に目を向け、国際戦略を展開していくことが不可欠との見方で一致した。

 その際に重要なのは個々の機械や製品ではなくシステムとして提供すること。ノウハウを積み、システム・オブ・システムズの力を高めることが日本の経済発展にもつながると結論した。

 鼎談の後には「地域活性化と分散型エネルギー」をテーマとするパネルディスカッションが開かれた。パネリストとして登壇したのは東邦ガスの佐野冬彦専務執行役員、JFEエンジニアリングの幡多輝彦取締役専務執行役員、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー新エネルギー部の茂木正政策課長、総務省地域力創造グループの村手聡地域政策課長。コージェネ財団の山﨑隆史専務理事がコーディネーターを務め議論を進行した。

 各パネリストは分散型エネルギーにかかわる国の政策の動向やそれぞれの企業で取り組むプロジェクトの事例を紹介した。東邦ガスが名古屋市港区の工場跡地で再開発中のスマートタウン「みなとアクルス」や、JFEエンジニアリングが手掛ける植物工場、総務省や経産省が補助金で支援するプロジェクトなどの事例から、地域活性化に貢献する分散型エネルギー事業のポイントを抽出した。これから全国に、さらには世界に成功事例を広げていくことを見据え、地域に合ったエネルギーの活用によって地域に合った事業モデルを構築すること、また官民が幅広く連携することが重要であることを提言した。

 閉会の挨拶に立った山﨑専務理事は、エネルギーシステム改革の進行でエネルギー分野が新しい局面を迎えるなか、コージェネは新たな価値を生む可能性があることを改めて指摘した。2015年、経済産業省が決定した「長期エネルギー需給見通し」において、コージェネは多様なエネルギー源の1つと位置づけられ、2030年に1190億kWh程度の導入という具体的目標が掲げられている。山﨑専務理事はこの目標について、「極めて大きな数字だと認識している」とした上で、「既にまちづくりでのエネルギー効率化や強靱化、農業分野での生産性向上や高度化でコージェネが大きな役割を果たす事例が出てきている。コージェネ財団は引き続き関係省庁や企業の力添えをいただきながら、新たな価値創生に挑戦しコージェネの普及拡大に尽力していきたい」と決意を述べて特別講演会をしめくくった。

 
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来る2月15日、コージェネ財団は、「IoTネットワークによる超スマートシティへのアプローチ」をテーマに、「コージェネシンポジウム2018」を東京・千代田区のイイノホールで開催します。翌16日には、テクニカルツアーも実施します。ぜひご参加ください。

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