基調講演は東京大学公共政策大学院の有馬純教授が「ゼロエミッションに向けた内外の課題」というテーマで行った。世界のゼロエミッションへの動きを先導する欧州連合(EU)や気候変動対策を政策の中心課題と位置づける米バイデン政権、脱炭素化社会の勝ち組を虎視眈々と狙う中国の動きなどを解説。第6次エネルギー基本計画の策定に向けた議論が始まった日本が進むべき道を示した。
シンポジウムでは今回で9回目となる「コージェネ大賞2020」の表彰式も行った。コージェネ導入の先端事例の中から、民生用部門、産業用部門、技術開発部門で「理事長賞」「優秀賞」「特別賞」を選定するコージェネ大賞は今年度計16件が受賞している。シンポジウムでは「コージェネ大賞理事長賞事例発表」の時間を設け、各部門で理事長賞を受賞した計4件のプロジェクトについて代表者が登壇し概要を紹介した。

コージェネ財団 専務理事 武田晃成
その後、「ゼロエミッションビジネスへの展望」をテーマに、川崎重工業代表取締役会長の金花芳則氏、大和総研のアナリスト出身で現在東京ガス社外取締役、味の素社外監査役、AIGジャパン・ホールディングス社外監査役を務める引頭麻実氏とコージェネ財団の柏木理事長による鼎談が行われた。金融市場で広がるグリーン投資・ESG投資や川崎重工業が構築している水素サプライチェーンの話を軸に、日本が確立すべきゼロエミッションビジネスの可能性について議論が進んだ。
最後にコージェネ財団の武田晃成専務理事が閉会挨拶を行った。「コージェネを核としたエネルギーシステムは高度なものが多く進化を続けている。今後も財団は省エネ性、レジリエンス性、再エネの調整機能を持つコージェネの普及を推進していきたい」と展望を語った。また、今回のシンポジウムが新型コロナウイルス感染症予防の観点から、無観客、ウェブ配信での開催となったことを受け、「この状況が早期に解決し、会場でお会いできることを願う」と期待を示し、シンポジウムを締めくくった。