スペシャルリポート

新しいエネルギー基本計画とカーボンニュートラル
コージェネの徹底活用で脱炭素社会実現へ

コージェネはエネルギーシステムの核に

経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長 茂木正 氏
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長 茂木正 氏

 茂木部長は「まず追求すべきは省エネのさらなる推進」と語った。「第6次エネルギー基本計画」を議論する総合資源エネルギー調査会基本政策分科会は30年度の省エネ量目標を従来の5030万klから2割以上積み増し、原油換算で6200万kl程度とする方針を示している。

 電力部門の脱炭素化のために、再生可能エネルギーの導入拡大も必要となる。経産省は7月に30年時点の再エネ発電量が現状の約1.7倍の3126億kWhになるとの試算を公表した。茂木部長は「系統、調整力、コストなどの課題を解決しつつ、できるだけ高い目標を設定するため、引き続き議論していく」と述べた。

 水素は、産業用の熱の脱炭素化と再エネを繋ぐカギとして非常に重要。再エネの調整力、燃料電池等の発電燃料として活用されるほか、CCUS(CO2の回収・貯留・活用)技術と組み合わせることで化石燃料の脱炭素化にも貢献できる。また、デマンドレスポンス(DR)やバーチャルパワープラント(VPP)などデジタル技術の活用も脱炭素時代に不可欠な要素となる。

 茂木部長はこうした要素をエネルギー基本計画に盛り込むことを説明した上で、「コージェネレーションの果たす役割はますます高まっていく。熱の脱炭素化や再エネの調整力、水素燃料での燃料電池や高効率な熱電併給を実現する。また、VPPや地域マイクログリッドの核となる、レジリエンスを保つ。新しい技術と社会の変化に対応したコージェネ技術が重要」と期待を示した。

 続いて「我が国のカーボンニュートラル戦略」をテーマに鼎談が行われた。柏木理事長と厚生労働大臣政務官・参議院議員の小鑓隆史氏、早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科の田辺新一教授が、世界のエネルギー政策の潮流とその中で日本が取るべき立場、「第6次エネルギー基本計画」のポイント、コージェネを含む分散型電源の重要性などについて議論を進めた。

コージェネ財団 専務理事 武田晃成
コージェネ財団 専務理事 武田晃成

 鼎談の後には「地域でのエネルギーシステム」と題したパネルディスカッションを開催。パネリストとして国土交通省都市局市街地整備課長の菊池雅彦氏、日建設計取締役常務でエンジニアリング部門統括の堀川晋氏、パシフィックパワー代表取締役社長の合津美智子氏、ヤンマーエネルギーシステム開発部 部長の栄孝典氏、モデレーターとしてコージェネ財団の武田晃成専務理事が登壇し、脱炭素化に向けたまちづくりや、そこで構築されるべき分散型エネルギーシステムのあり方について語り合った。

 閉会挨拶で武田専務理事は「新しい時代に向かう日本の将来について様々な議論ができた。今後の資産になった」と特別講演会を振り返った。例年、講演会後に開いていたレセプションはコロナ禍で開催できなかったが、「新型コロナウイルス感染症の問題が解決し、再び膝をつき合わせた話し合いができる日が来ることを望む」と述べ、特別講演会を終えた。

 
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