熱の脱炭素化に関して、非化石化、グリーン化された電力による電化は1つの手段です。ただ電化可能な領域はあまり多くはありません。熱の供給方法や業種ごとの特徴を踏まえ、バイオマスの活用、水素・アンモニアの混焼・専焼や合成燃料、メタネーションなどにも取り組むことが必要です。燃料の変更に伴い必要になる製造プロセス変革のための技術開発も併せて進めなくてはなりません。
カーボンニュートラル実現のため、国が創設した「グリーンイノベーション基金」では、水素・燃料アンモニアに加え、脱炭素燃料の技術開発にも取り組みます。
水素は「再エネを吸収する調整力」「産業部門の熱の転換」「CCSと組み合わせた化石燃料の有効利用」の3つの役割を担うことから、政府は社会実装に向けた「水電解による水素製造」「国際サプライチェーンの構築」「モビリティでの活用」「水素発電」「産業への応用」という5つの戦略分野で技術開発を推進します。
さらに水素技術をベースにした脱炭素燃料は多様な形態があります。そのまま燃焼に用いる水素やアンモニアは石炭火力などへの混焼により、CO2排出量を減らすことができます。トルエンを水素キャリアとして使う有機ハイドライドは既存のケミカルタンカーを、メタネーションされた合成メタンは既存のガスパイプラインを活用できます。
これから策定する「クリーンエネルギー戦略」では供給サイドに加え、需要サイドのエネルギー転換を重要なポイントに据え、熱の有効利用やコージェネの活用、未利用熱の利活用拡大、熱の脱炭素化などを盛り込みます。
コージェネは熱利用の効率化や脱炭素化に大きな役割を果たす上、レジリエンス性が高く、エネルギーの地産地消の点からも重要な存在です。引き続き皆さんとともに、着実な普及促進の取り組みを進めていきます。