東京イースト21には、700kWのガスエンジン発電機からの電力供給を自立コントロールする制御システム「ジェネスマート」が新たに導入された。東京ガスが、鹿島建設の協力も得ながら開発したものだ。災害などで電力会社からの電力供給が途絶えると即座に同発電機が自立スタートし、停電することはない。そして、必要な電力使用量を管理しながら発電容量をコントロールする。

新制御システム「ジェネスマート」と従来システムの比較
ジェネスマートを導入するまでは、あらかじめ設定した優先度の高い機器や照明などだけに、電力を供給する形だった。たとえ余力があったとしても、優先度の低いトイレやエントランスの照明や機器などに、非常時には電力を供給できなかった。
これが、ジェネスマートの導入により、発電容量に余力がある場合には優先度の低い照明や機器などにも電力を供給できるようになったのだ。
東京イースト21における省エネ・低炭素化を推進する“エンジン”はコージェネである。同時に、BCPもコージェネが担う。鹿島が2020年の実現を目指しているZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)とBCP、これら二律背反にもなるものを両立させるのがスマートエネルギーネットワークであり、ジェネスマートなどによる高度な制御システムと、それらの運用ノウハウも重要になってくる。「シミュレーションではなく、東京イースト21における実際のデータを蓄積して、コージェネをコアとするスマート化をより高度化させていきます」と平岡氏は話す。
一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(ACEJ)の柏木孝夫理事長は言う。
「エネルギーを高度利用するコージェネを使い、災害に強いスマートなコミュニティを、東京イースト21は実現させています。この規模のシステムインフラは、積極的に輸出していくべきでしょう」
東京イースト21のような複合施設に限らず、中核病院や介護施設など災害時でも電源喪失が許されない建物やエリアでは、高効率ガスコージェネを活用したスマートエネルギーネットワークの果たす役割は大きい。BCPと省エネ・低炭素化を両立させるシステムインフラとして、国内外を問わず、そのニーズは高まっていくに違いない。