スペシャルリポート

コージェネが要となるスマートコミュニティ
省エネも災害対策も究める街づくりを推進

法改正と市場原理で電力システム改革は進む

 第1部の鼎談では、経済産業大臣政務官の佐藤ゆかり氏、一橋大学大学院 商学研究科教授の橘川武郎氏、ACEJ理事長であり東京工業大学特命教授・東京都市大学教授の柏木孝夫氏が登壇。政府および専門家としてエネルギー政策の策定に携わる3者が、それぞれの観点から、政策におけるコージェネの位置付けや普及促進策について議論した。

左からACEJ理事長であり東京工業大学特命教授・東京都市大学教授の柏木孝夫氏、経済産業大臣政務官の佐藤ゆかり氏、一橋大学大学院 商学研究科教授の橘川武郎氏

左からACEJ理事長であり東京工業大学特命教授・東京都市大学教授の柏木孝夫氏、経済産業大臣政務官の佐藤ゆかり氏、一橋大学大学院 商学研究科教授の橘川武郎氏
 

 冒頭、参議院で安倍晋三首相に対する問責決議が可決されたことにより、電力システム改革の推進に不可欠な、電気事業法改正案が廃案となった件に関して、今後の展開を問われた佐藤氏は、「参議院選挙の結果、与党が安定多数の議席を得ることができた。改めて遅延なき速やかな法案の可決に向けて努力する」と明言。一方で橘川氏は、「国会を通じた法案に基づく電力システム改革よりも、東京電力の再生を起点とした“市場による再編”の方が早い可能性がある」との持論を述べた。

 原発の代替コストは、東京電力だけで1兆円規模に膨らみ、電力料金の値上げが相次ぐ状況にある。これを改善する対策として、電力会社間の競争促進や、ガス事業者など他業界との連携といった大胆なプランの実行による市場の再編が、電力システム改革よりも先行するというのが、橘川氏の見解である。これに対して佐藤氏は、「市場を中心とした電力業界の再編と同時に法的整備を行い、中小の新電力事業者の参入を促しながら、発送電分離を進めていく必要がある」とした。

 柏木氏は、エネルギーベストミックスにおける分散型電源の重要性を指摘する。「現在、分散型電源の割合は4%程度しかない。これを3割まで拡大するためには、まず過剰に備えられている大規模集中型の稼働率を上げる。老朽火力発電は分散型に置き換えられることになり、今まで以上に需要側でのコージェネの導入機会は増える」とし、供給側のみならず需要側の対策の必要性を示すとともに、コージェネが果たす役割の大きさを説いた。

 なお3者は、2030年の電源構成において、コージェネの割合を全体比15%まで引き上げるというコージェネの普及目標を達成するためには、工場などの産業用だけでなく、家庭用も含めた民生用の拡大が不可欠という考えで一致。具体策として、佐藤氏は、「スマートコミュニティのようなシステムによって、トータルで最も効率性の高いベストミックスを見出す枠組みの中で、コージェネを含む民生での分散型電源の導入を増やしていくことが望ましい」と語った。

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