大衡村の工業団地には、トヨタ自動車東日本の自動車組み立て工場や、部品を提供するサプライヤーのほか、すかいらーくの食品工場などが立地している。これらに電気や熱を供給する中核的な役割を担うのが、コージェネレーション(熱電併給)システムだ。このF-グリッドでは、川崎重工業製のガスエンジンコージェネの最新機種が導入された。出力は7.8MW(7800kW)とコージェネとしては大型で、発電効率は49%と世界最高レベルだ。
このF-グリッドの実現には、ある規制緩和が大きな役割を果たした。それは、「特定供給制度」における審査基準の改正だ。
F-グリッドでは、電気事業法第17条に定められた特定供給制度の認可を受け、自営線を使って工業団地内の事業者などへ電力を供給する。しかし従来は、特定供給の規約として、電力会社の系統電力からのバックアップを受けずに、需要のほぼ100%を満たす供給力をもつことが条件とされていた。そのため、供給力の確保が足かせとなり、休日も稼働している事業者に電力を供給できないなどの課題があった。
そこで、トヨタ自動車など特定供給事業者らは、経済産業省へ許可基準の見直しを要望。資源エネルギー庁が昨年8月に新設した熱電併給推進室(コジェネ推進室)が対応し、検討が重ねられた結果、2013年3月に制度改正が実現した。電力会社などのバックアップが認められるとともに、50%の供給力を備えれば特定供給が行えるように規制緩和がなされた。特定供給事業に参入しやすくなり、スマートコミュニティ構築も進めやすくなった。

特定供給制度における審査基準の緩和