スペシャルリポート

災害に強い次世代型工業団地
企業の持続的成長と地域復興を目指す

災害時のエネルギー対策も視野に

 コージェネに加えて、各工場の屋根には太陽光発電システムを設置。また、電力需要が少ない時間帯に、ハイブリッド車から回収した中古蓄電池を活用する定置型蓄電システムや、プラグインハイブリッド車に充電する仕組みも備える。

 そして、F-グリッド全体のエネルギー需給を最適化する司令塔となるのが、「CEMS(地域エネルギー管理システム)」である。CEMSは、各工場に設置されている「FEMS(工場エネルギー管理システム)」と連携しながら、電気の使用状況のモニタリングデータを基に工業団地内の使用電力量を予測。この予測に応じてコージェネの発電量などを制御し、場合によっては電力会社から電力を購入し、需給を最適化してエネルギーの利用効率の最大化を目指すとともに、コストも最適化する。

 特に熱の有効利用は、F-グリッド全体のエネルギー効率を最大化する上で極めて重要になる。コージェネによる発電時の排熱を活用し、蒸気と低温水については、トヨタ自動車東日本内の塗装工程で利用する。高温水は、新たな試みとして、植物工場におけるパプリカ栽培に利用することとした。植物工場を含めて、熱利用については、後編で詳しく述べる。

 また、災害などによる停電時には、コージェネから電気を工業団地内に供給するだけでなく、これを電力会社に販売し、防災拠点となる村役場を含む周辺地域へ配電する。遠方の発電所から防災拠点まで、長距離にわたり送配電網を復旧させるには長い時間が必要になるが、F-グリッドから防災拠点までであれば、復旧にかかる時間は短くて済む。

非常時は役場や周辺地域に電力を供給する

非常時は役場や周辺地域に電力を供給する
 

 さらに、工業団地で所有する8台のプラグインハイブリッド車が、移動式の電源として必要な場所へ出向き、電力供給を行う構想も描いている。搭載しているガソリンの分だけ、発電機としての役割も担える。

 F-グリッドが目指すのは、「企業の持続的成長と、活気にあふれた地域づくりに貢献できる次世代の工業団地」(等氏)だ。震災復興に向けた、地元への貢献も期待されている。

 
 
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