スペシャルリポート

GX・エネルギー政策におけるコージェネレーションの貢献
脱炭素と省エネの同時実現で高まる電力需要に対応

逆風が吹いても再エネ拡大の方針は変わらない

経済産業省資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長 小林大和氏
経済産業省資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部長
小林大和氏

 続いて、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長の小林大和氏が来賓挨拶に立ち、国内外のグリーントランスフォーメーション(GX)の状況を解説した。

 はじめに、小林氏は現在の環境・エネルギー市場におけるキーワードとして「アディション」「アフォーダビリティ」「エネルギーセキュリティー」の3つを挙げた。AIの普及やDXの進展で電力消費が増える中、「トランジション以上にアディションが重要」という声も出るようになった。また、日本だけでなく欧米でもインフレが進み、いかにエネルギー価格を低廉に抑制するかが重要な命題となっている。さらに、地政学的な混乱が深まる中、エネルギー主権を重視する傾向が一層強まっている。小林氏は「日本はこれらのトレンドを前提として織り込み、エネルギー政策・GX政策を推進してきた。方向性をぶらさず、着実に歩みを進めることが重要になる」と語る。

 2026年1月のダボス会議に関して、「脱炭素の議論が低調だった」と指摘する声がある。だが、小林氏は「より緊急度の高いテーマがあふれていたため、相対的に関心度が下がったように見えたのだろう。地球のため、人類のためにカーボンニュートラル実現に向けたトランジションを進めなくてはならないというコンセンサスに変わりはない」と強調する。

 とはいえ、エネルギーシステムは一朝一夕に変化するものではなく、トランジションには長い時間がかかる。長期的な目線で技術力や産業力を強化し、値頃感のあるエネルギーシステムを構築していかなくてはならない。

 小林氏は「エネルギー資源の少ない日本は、輸入により化石燃料も引き続き確保していく必要がある。財政の世界には『ワイズペンディング(賢い支出)』という言葉があるが、エネルギー政策、GX政策も『ワイズ』に進めることが求められる」と指摘する。

 昨年来、地域共生上の問題からメガソーラーが批判を浴び、政府が公募した大型洋上風力発電プロジェクトから大手企業連合が撤退するなど、再生可能エネルギーに逆風が吹いているようにも見える局面が出てきた。

 これに対し、小林氏は「再生可能エネルギーの主力電源化を目指し、太陽光や洋上風力の導入を進めるという政府方針に変わりはない。ただ、状況に合わせて政策メニューもワイズに変えていく。洋上風力は大きな初期投資がかかり、回収に時間がかかることから、長期脱炭素電源オークションへの参入を一部認めることとした。2025年12月にはメガソーラーの不適切なプロジェクトに厳格に対応するための対策パッケージを決定した」と説明する。

 
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