スペシャルリポート

新たなエネルギーシステムと高齢化対応の街づくり
日本の成長戦略を担う産業に育て世界をリード

高齢化に対応するコンパクトシティの実現

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)氏
柏木 孝夫(かしわぎ たかお)氏
コージェネ財団 理事長
東京工業大学 特命教授/東京都市大学 教授
1970年東京工業大学工学部生産機械工学科卒業。大学院博士課程を経て79年博士号取得。東京工業大学工学部助教授、東京農工大学工学部教授、東京農工大学大学院教授などを歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機構教授、2012年より特命教授。2013年より東京都市大学教授も兼務。2011年より一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(コージェネ財団)理事長。経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。現在、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会長、同調査会基本政策分科会委員などを務める。

柏木: 私は個人的には、国内で実証したものを世界に展開し、その市場を拡大していくというところに、まだまだ日本の成長戦略があると考えています。街づくりも、そうでしょう。高齢化対応などによって、どのような成長戦略が描けるでしょうか。

秋山: 日本は高齢化と同時に、人口の減少がすでに始まっています。ご存知のように、日本創成会議から将来人口推計が発表され、決して少なくない数の自治体が消滅の危機にあるという警鐘が鳴らされました。

 コンパクトシティを奨励している国交省も、それまで以上に真剣に検討するようになったと思います。地方では、非常に拡大分散した街や、中心部が空洞化した街が多いのが現状です。人を集めてコンパクトな街をつくり、効率的なインフラやシステムを整備して快適に暮らせるようにする。さらに、街と街の間はICT(情報通信技術)でつなぐ。こうしたモデルは、長寿社会において非常に有効です。

 そして、日本と同じことを、おそらく中国もインドも何年か遅れて経験するでしょう。日本が先行して、モデルをきっちりとつくり込んで、システム全体をパッケージとして世界へ輸出していくことができれば、日本の基幹産業の一つになり得ると考えます。

柏木: エネルギーシステムに関しては、コンパクトシティの中にコージェネレーション(熱電併給)システム(以下コージェネ)などの分散型電源を入れていけば、熱電併給もできるし、自然エネルギーも取り込んでいけるようになる。

 こうしたモデルは、高齢化に向けた地域づくりの一つのソリューションになり得ます。日本がいち早くコンパクトシティのモデルを構築できれば、社会システムまで含めた街ごとそっくりそのまま他国へ輸出できるようになりますね。

秋山: それぞれの国の条件に合ったかたちで取り入れられていくのではないでしょうか。

 
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