スペシャルリポート

課題先進国の逆境をチャンスととらえ
次世代社会インフラ構築で世界をリード

健康長寿社会を実現するスマートコミュニティ

柏木: 今の安倍政権の成長戦略では、農業問題や医療問題、そしてエネルギー問題にも取り組んでいます。エネルギー問題に関しては、4月にエネルギー基本計画が閣議決定されました。その中では、コージェネなどの分散型電源を導入したスマートコミュニティを構築することで、高齢者の見守りサービスの実現など健康長寿に向けた対策にもリンクできるとしています。

 日本の経済成長と強靭化という大きな問題を考える際に、各課題を今後どのようにリンクさせながら、どのような成長戦略を見出していくべきでしょうか。

秋山: 成長戦略を検討する際は、社会的背景がどのように変わっていくのかということをきちんと認識して、計画を策定する必要があると思います。特に注視したいのが、人口動態の変化で、日本が高齢化対応においては、フロントランナーであるということです。

 2050年ぐらいには、75歳以上の人口が倍増して、人口の5分の1を占めるようになるといわれていますが、現状では、医療や税金などの観点から、大きな課題としか捉えられていません。しかし、世界に先駆けて長寿化していることを、むしろチャンスとして捉える視点が、すごく重要だと思います。

 私が非常に希望を持っているのは、産業界が日本の高齢化にチャンスを見出し、新たに開拓できる大きな市場に対して真剣に取り組み始めたことです。ごく最近ですが、日本でそうした活動に火が付いたと感じています。さらに、エネルギーという側面からも政府に応援してもらい、日本の基幹産業の一つになるよう育てていくことが望ましいと考えます。

ICTで問題を解決し、その知見を世界に展開し広げていくことは、国際競争力の観点からも重要です(山下氏)
ICTで問題を解決し、その知見を世界に展開し広げていくことは、国際競争力の観点からも重要です(山下氏)

山下: 日本は課題先進国だといわれていますが、多くの課題はICTで解決できます。例えば、少子高齢化で生産性を上げなくてはならない現状において、介護も医療も農業の分野でも、ほとんどICTの活用で解決できる可能性があります。それらは世界に先駆けたソリューションになるはずで、いずれ他国にも輸出できる。ICTで問題を解決し、その知見を世界に展開し広げていくことは、国際競争力の観点からも重要です。

 問題解決には欠かせないICTですが、実は、それを活用すればするほど電力に依存する比重が大きくなります。ICTは電力がないと全く役に立たないわけで、ICTによるソリューションを稼働させるためには、それを支える強靭な電力システムが必要です。当社のデータセンターにおいても、電力備蓄を従来までは48時間程度であったものを72時間へと延長させようとするなど、自社の防衛策としてさまざまな対策を打っています。しかし、そうした対策にしても、所詮は72時間程度の備蓄でしかありません。

 ICTの活用が高まれば高まるほど、日本の社会全体において電力への依存が高まっていくということです。ですから、高効率なエネルギー利用を可能にするコージェネには、大いに期待しています。

 
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