スペシャルリポート

新たなビジネス展開と
コージェネへの期待(後編)

継続性、環境性、事業性を総合的に勘案して最適化

土方: 先ほど井上さんに大手町の再開発プロジェクトの事例を紹介していただきました。まちづくりを進める上において、エネルギーインフラは差別化の材料になっていますか。

井上俊幸氏(以下敬称略):もちろんエネルギーインフラは重要であり、差別化の要素になり得ます。先ほど、大手町では業務の継続性が極めて大事だという話をしましたが、エネルギーインフラに関しては、それだけで十分というわけではありません。環境性や事業性も重要です。

 我々が手がけるような再開発は、ビルの建て替えで床面積が増えることがほとんど。そのままならばCO2排出量が増え、環境性は低下してしまいます。床面積が増えても全体のCO2排出量が増えないよう、単位床面積当たりの排出量を減らす仕組みを考えなくてはなりません。またコージェネでエネルギーを生み出すに当たって、系統電力やガスを購入するよりもコストを抑えられるのかどうかも大事なポイント。2002年に竣工した東京駅前の丸ビルは経済的な理由からコージェネを稼働させるのが難しい時期もありました。継続性、環境性、事業性などを総合的に勘案しながら最適なエネルギーシステムをつくることを考えていかなくてはならないと思っています。

土方 教久(ひじかた のりひさ) 氏
土方 教久(ひじかた のりひさ) 氏
コージェネ財団 専務理事

土方: 多様な企業のニーズに応えていく必要があるということですね。古賀さん、そういう企業に省エネソリューションを提供する上で苦労している点はありますか。

古賀: 先ほど、これまでに手がけたプロジェクトが200件強とお話ししました。1999年にビジネスをスタートしてから2006年ぐらいまでは順調に伸びていたのですが、リーマン・ショックや東日本大震災で潮目が変わり、工場やビルのエネルギー最適化という提案だけではなかなか受注に至らなくなりました。

 現場へのプレゼンテーションで好感触を得ても、経営会議では通らない。「何が起きているのだろう」と私自身、ずいぶん悩みました。わかったことは、経営者の問題意識と現場の問題意識の方向性がマッチしなくなってきたということ。つまり企業の経営戦略とエネルギー戦略が連動しない状態に陥っていたのです。

 以来、我々は顧客企業を取り巻く環境や抱えている課題とこれから進むべき方向をすり合わせ、過去のデータを参考にしながら最適な解を導き出すという、より上流のコンサルテーション的なアプローチをとりながら合意形成するように心がけています。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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