スペシャルリポート

ロンドン・オリンピックから考える
低炭素型都市づくり(前編)

オリンピック開発前の状況とレガシー計画の重要性

 まず、開発前のロンドン・オリンピックのメイン会場を説明しておくと、ロンドンの中で「もっとも衰退した地域」であり、オリンピックを機会に都市再生が望まれていた。民間事業者がつかず開発が進まなかった理由は、線路、運河、高圧電線などが用地を横切り物理的に開発しづらいこと、自動車、冷蔵庫などの廃棄物が山積みにされた土壌汚染地であったこと、そして前述した衰退地域であったことが大きい。

 開催地決定前から民間事業者を中心に識者が集められ、地域の質的転換を実現させるためのレガシー計画が作られた。

 そこでは、交通アクセスの改善、エネルギーを含むインフラ施設、雇用、住宅などの箱もの施設の青図が描かれ、後に、地域の価値をさらに高める大学誘致が計画に追加された。オリンピック終了後にレガシー計画を考えたシドニー大会(2000年)の失敗を繰り返さないことが重視され、とにかく「レガシー計画」ありきで計画策定を行ったという。大事なことはオリンピック終了後、いかに地域を変えられるかにあった。

 
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プロフィール
村木 美貴(むらき みき) 氏

村木 美貴(むらき みき)
千葉大学大学院 工学研究科 教授
1996年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程後期修了。同年東京工業大学大学院社会理工学研究科助手、2000年オレゴン州立ポートランド州立大学客員研究員、02年千葉大学工学部都市環境システム学科助教授、08年千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻准教授。13年より現職。

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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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