スペシャルリポート

パネルディスカッション
地域活性化と分散型エネルギー(前編)

植物工場にCO2を有効活用する「トリジェネ」導入

山﨑:企業が構築中の分散型エネルギーシステムの事例もご紹介いただきます。佐野さん、幡多さん、それぞれの事業について説明してください。

佐野 冬彦(さの ふゆひこ) 氏
佐野 冬彦(さの ふゆひこ) 氏
東邦ガス株式会社 専務執行役員 業務用営業本部長

佐野冬彦氏(以下敬称略):東邦ガスは名古屋市港区の工場跡地を再開発したスマートタウン「みなとアクルス」の建設に着手しています。アクルスでは環境性、強靱性に重きを置いたスマートエネルギーシステムを導入します。電力需要の大きい大型商業施設、熱需要の大きいスポーツ施設などが集まることから、ガスコージェネシステム、バイナリー発電機、蒸気吸収式冷凍機などを導入し、省CO2(二酸化炭素)、省エネを実現します。

 アクルスの特徴の一つが先進的なエネルギーマネジメントを導入する予定であることです。各施設にBEMS、MEMS、HEMSなどのエネルギーマネジメントシステムを構築し、供給側と需要側とで情報をやりとりしながら最適かつ効率的に運転します。来年秋に大型商業施設の開業を予定しています。

幡多 輝彦(はた てるひこ) 氏
幡多 輝彦(はた てるひこ) 氏
JFEエンジニアリング株式会社 取締役 専務執行役員 技術本部長

幡多輝彦氏(以下敬称略):JFEエンジニアリングは2013年に農業分野に参入しました。光、温度、湿度、CO2、養分、水分などをコントロールしながら生産する植物工場で分散型エネルギーシステムを構築しています。関連会社のJファームの植物工場には電気、熱に加え、排気ガス中から光合成に用いるためのCO2も回収し有効活用する「トリジェネレーション」システムを導入しました。天然ガスを利用できるところではガスエンジン、木質チップが豊富なところではバイオマスボイラー、温泉熱があるところではヒートポンプを利用するという具合に地域事情や環境に応じてエネルギーを選択し、組み合わせて最適化を図っています。苫小牧工場では3種類の熱源を使ってトマトとベビーリーフの実証試験と商業生産を行っています。トマトを生産する札幌工場の熱源はバイオマスボイラーが中心で、熱源が不足する冬には天然ガス焚きボイラーも併用します。生産した野菜は国内だけでなく海外にも販売しています。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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