第7次エネルギー基本計画には、省エネについての記載に加え、調整力としての役割や災害時レジリエンスの強化、エネルギーの面的利用などコージェネの役割に関して明記されている。伊藤氏は、これらの観点で政府が実施する補助金などコージェネへの支援についても紹介した。
燃料の脱炭素化に関しては、2024年に「水素社会推進法」が成立し、水素・アンモニア・合成燃料・合成メタンの導入が政府のアジェンダとして位置づけられている。水素社会推進法に基づき、いよいよ価格差に着目した支援と、インフラ供給の拠点整備を2本柱に、水素・アンモニア・合成燃料・合成メタンへの支援が具体的に動き出す。

「コージェネ大賞2024」の表彰式の様子
伊藤氏は「コージェネと合成メタンのコンビネーションは大きなポテンシャルを有している。合成メタンの推進を通じて、再エネと水素の利用をもう1段進化させられると考えている。第7次エネルギー基本計画では、2030年度において供給量の1%相当の合成メタン等を導管に注入するという目標も位置づけた。コージェネの新たな未来に向け、一層の取り組みが進んでほしい」と期待を示した。
コージェネ財団は2024年9月にマレーシアとタイで海外視察調査を実施したが、シンポジウムではこの調査について、視察団の副団長を務めたDaigasエナジービジネス推進部TES・再エネビジネス推進チームマネジャーの鈴東新氏が報告を行った。調査内容や情報収集、意見交換から明らかになったことなどを発表した。
13回目を迎えた「コージェネ大賞2024」の表彰式も行った。民生用部門、産業用部門、技術開発部門で理事長賞、優秀賞、特別賞を受賞した12件のプロジェクトの代表者が表彰された。各部門で理事長賞を受賞したプロジェクトの代表者が登壇し、それぞれの取り組みについて講演も行った。

コージェネ財団 専務理事
坂倉 淳
続いて、「カーボンニュートラルの実現と新しい街づくり」をテーマとする鼎談を実施した。清水建設代表取締役会長の宮本洋一氏、千葉大学大学院工学研究院教授の村木美貴氏、柏木理事長が脱炭素型の街づくりを進める上で必要となるオープンイノベーションや政府の関わり、重要テクノロジーである水素エネルギーなどについて語り合った。
最後に、コージェネ財団の坂倉淳専務理事が閉会挨拶に立った。坂倉専務理事は「これから我が国は第7次エネルギー基本計画をベースに脱炭素と経済成長のバランスの取れたエネルギー政策でトランジションを進めていくことになる。足元の省エネや低炭素化、激甚化する自然災害や系統安定化への対応などに貢献できるコージェネの技術開発を進め、優れた事例案件を増やすことが重要になる。産官学で連携し、さらなる普及促進に努めたい」と語り、シンポジウムを終えた。