気候変動対策としても、経済競争上の観点からも、脱炭素電源の確保が極めて重要であることは変わりがなく、再生可能エネルギーの重要性は依然として高い。ただ、成長、成熟するのに伴い、様々な課題も出てきた。
導入に当たっては、地域との共生、国民負担の抑制、出力変動への対応、イノベーションの加速とサプライチェーン構築、使用済み太陽光パネルへの対応などが求められる。
小林氏は「再生可能エネルギーにこれだけ注目が集まり、課題が提示されるようになったのは、それだけ社会に浸透してきたということでもある。新しいフェーズに新しい取り組みで対応していきたい」と述べた。
さらに、コージェネについて、「エネルギー基本計画の中でも省エネ性能、電力のレジリエンス確保という観点から極めて重要であるということを明確に確認している」と語り、「産学官で力を合わせ、コージェネも取り込みながら強靱なエネルギーシステムを構築し、日本のますますの成長と発展を支えていきたい」と意気込みを示した。
基調講演には東京大学副学長・大学院経済学研究科教授の大橋弘氏が登壇した。「わが国におけるカーボンプライシングの視点」というテーマで、政府が打ち出す「成長志向型カーボンプライシング構想」の概要や狙いを説明し、CO2排出削減と経済成長を両立させる重要性を強調した。また、GXを達成する上で欠かせない「時間軸」や「海外展開」の視点を示した。
続いてENEOSホールディングス常務執行役員CTOの藤山優一郎氏が「ENEOSグループのカーボン・ニュートラルへの取り組み」と題した特別講演を行った。カーボンニュートラルへのトランジションが進むにつれ、社会では「化石燃料・製品の低炭素化」「再生可能エネルギーの拡大」「バイオマス等資源の利活用」「化石燃料の脱炭素化」「水素等の利活用」という5つの施策が進むと指摘し、それぞれについてENEOSが進めている取り組みを紹介した。
ラウンドテーブルディスカッションでは、NPO法人国際環境経済研究所理事の竹内純子氏、一般社団法人カーボンニュートラル推進協議会代表理事の増山壽一氏、柏木理事長が登壇し、「エネルギーの多様化と新しい政策の在り方」をテーマに、国際情勢や政策動向、今後の展望などについて語り合った。途中で元経済安全保障担当大臣・衆議院議員の小林鷹之氏もリモートで議論に加わった。

コージェネ財団 坂倉 淳 専務理事
最後に、コージェネ財団の坂倉淳専務理事が閉幕の挨拶を行った。
カーボンニュートラルやGXと密接にかかわるエネルギーについて、「昨今、取り巻く情勢は複雑化し、潮目は変わりつつある」と表現した。「エネルギー安全保障やアフォーダビリティの重要性が高まり、経済成長とのバランスを俯瞰しながら考えることが重要であることを実感する。様々な選択肢を排除することなく現実的なアプローチを志向することが求められる。エネルギー政策も、事業者やエンドユーザーの取り組みも、広い視野で柔軟に考えていくべきと認識した」と語り、特別講演会の幕を閉じた。