続いて、我々のガスコージェネへの取り組みを紹介します。
コージェネを手掛け40年、約150万kWのコージェネを導入しています。家庭用燃料電池「エネファーム」は2009年の発売以来、累計22万台を販売しています。発電効率向上の技術開発を進め、現行機は平均的な火力発電よりも高い発電効率55%を達成しています。電力の出力変動を補えるバーチャルパワープラント(VPP)制御機能も搭載しています。
コージェネは脱炭素社会において、安定供給とカーボンニュートラル化の両立を支える極めて現実的な解であり、再生可能エネルギーや原子力と並ぶ電源構成の中核になると捉えています。
例えば、山口県岩国市の東洋紡岩国事業所では、石炭を使った自家発電設備をガスタービンコージェネとRPF(古紙と廃プラスチックを主原料とする高品位固形燃料)ボイラーに更新しました。LNGの冷熱を利用した吸気冷却など、徹底した省エネルギー技術を駆使して、エネルギー使用量10%減、CO2排出量40%減を実現しました。
兵庫県神戸市の神戸須磨シーワールドは阪神・淡路大震災の教訓を活かし、人と生き物を守るための強靱な事業継続計画(BCP)を構築し、その一環で停電対応コージェネを導入しました。熱需要の特性が異なる「アクアライブ」「ドルフィンスタディアム」「オルカスタディアム」の3棟をつなぐ熱源水ネットワークを構築し、回収熱と排熱を循環させ、徹底的に利用する仕組みを作り上げました。こうした省エネ手法を取り入れたことにより、「CASBEE」「BELS」「ZEB Ready」といった外部認証を取得しています。
エネファームは省エネ性が高く、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」に必要な太陽光発電量をほぼ半減できます。本体を小型化してきたことで、戸建て住宅だけでなく、集合住宅でも採用が広がっています。
エネファームを活用したVPPの実証も進んでいます。神戸市と連携して、「街区内での再生可能エネルギーの地産地消を最大化すること」を目指す技術検証を実施しています。太陽光発電と需要の情報をリアルタイムで集め、エネファームと蓄電池を地域内で最適制御します。再エネを徹底活用すると同時に、街区内の電力需要の平準化によって、電力系統への依存度の低減やレジリエンスの強化を実現します。
我々はコージェネを脱炭素社会においても大きなビジネスチャンスと捉えています。石炭や石油からの燃料転換、熱のカスケード利用による徹底した省エネ、停電時の供給継続によるレジリエンス強化、再生可能電源の調整力向上などを図りながら、これからも積極的に導入を進めます。