スペシャルリポート

Daigasグループのカーボンニュートラルへの取り組み
“第3の創業”で「e-メタン」のサプライチェーンを構築

メタネーションの技術開発を着々と推進

大阪ガス株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 藤原 正隆 氏

 e-メタンを生み出す技術開発も着々と進めています。現在主流の方式である「サバティエメタネーション」については、新潟県長岡市で新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業を行っています。一般家庭1万戸以上に供給し得る400Nm3/hのメタネーション装置を使った世界最大規模の実証事業です。

 「バイオメタネーション」については、環境省の委託事業で大阪・関西万博において生ゴミからe-メタンを合成・利用する実証を行いました。これから地産地消の目玉の1つとして、日本全国で取り組みを進めていきます。

 CO2と水を直接電気分解してメタンを合成する技術で、サバティエの1.5倍と非常に効率が高い「SOECメタネーション」については、グリーンイノベーション(GI)基金による開発を進めています。2025年6月に、フェーズ2となるベンチスケール試験施設が完成しました。スケールアップに向けて知見を集積しているところです。

 e-メタンに加え、バイオメタンの取り組みも進めています。東京ガスが2024年3月に米国産のバイオメタンを初輸入したのに続き、我々も2026年1月にBPグループが製造した米国産バイオメタンを泉北製造所へ輸入しました。

 国内でのバイオガスの製造にも取り組んでいます。「D-Bioメタン」と名付けたバイオガス製造システムは、お客様の敷地内における製造と利用が可能です。食品工場、ショッピングモールなどで導入実績を積んでいるところです。

 今後導入が増えると想定されるバイオプラスチックを活用したバイオガス製造実証も大阪公立大学、大阪市と共同で実施しています。

 2021年には新たな研究開発見学拠点「Carbon Neutral Research Hub」を開設しました。メタネーション技術をはじめ、将来のカーボンニュートラルエネルギーを作り、利用するための技術を開発しています。

 2025年9月にはこの敷地内に「Daigas Innovation Center」という名称の新たな研究棟が竣工しました。産官学の連携拠点として、新しいエネルギーの形を共創していきたいと考えています。

 社外のスタートアップなどが持つ技術や事業の知見を収集し、将来に向けた種まきも行っています。長期的な事業化の可能性を見極めるため、次世代太陽熱、天然水素などを手掛けるスタートアップにも出資しております。また、カーボンニュートラル達成のための手段としてカーボンクレジットの活用が期待される中、クレジットの品質が極めて重要になることを見据え、生成AIを活用したカーボンクレジットの品質を評価するWEBサービスを自社開発し、2025年3月から提供を開始しています。

 Daigasグループは2025年に創業120周年を迎えました。その間、社会環境やお客様ニーズの変化に合わせ、都市ガス原料の転換や新たな機器開発などのイノベーションに取り組んできました。

 第1の創業であるガス供給開始、第2の創業である天然ガスへの転換に続く第3の創業として、2030年のe-メタン導入を目指します。時代を超えて選ばれ続ける革新的なエネルギー&サービスカンパニーへの進化を通じて、皆様とともに持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けていきます。

 
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