スペシャルリポート

混迷する国際エネルギー情勢と日本への影響
多様なエネルギー・技術を組み合わせ脱炭素実現を

グランドデザインとして「クリーンエネルギー戦略」策定

 ここからは、「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた包括的な政策をご紹介します。

 政府はこれまでに「グリーン成長戦略」「第6次エネルギー基本計画」「地球温暖化対策計画」「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」などを策定・発表してきました。

 最近では5月に「クリーンエネルギー戦略」の中間整理を公表しました。ここではウクライナ危機や電力需給逼迫を踏まえた政策の方向性を再確認しています。エネルギーの安定的かつ安価な供給を確保しつつ、2050年カーボンニュートラルと、その中間地点である2030年の温室効果ガス排出量2013年度比46%減を達成する方策を様々な視点で検討しています。

 今回の中間整理は、投資を引き出すための予算措置、規制・制度的措置、金融パッケージ、脱炭素に積極的な企業が集まる枠組み「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」の段階的発展などを柱とします。

 GXリーグは「カーボンニュートラルの未来像、そこに至る移行像についての対話」「官民による市場ルール共創」「排出量取引の実践」という3つの取り組みを実施するもので、今年春までに440社の企業が賛同を表明しました。2023年度から排出量取引を実践する計画です。

 GXを実現するための社会システムやインフラの整備に向けた取り組みについても全体像を描いています。グリーン、トランジション、イノベーションの3分野で機能を強化した金融パッケージについても触れています。トランジションについては分野別ロードマップの拡充など産業と金融のエンゲージメントのためのガイダンス策定などを進めようとしています。

 原子力についてはプルサーマル計画や使用済み燃料の最終処分について触れ、革新炉技術と原子力供給産業のサプライチェーン全体を見渡した上で今後の戦略を講じています。

 クリーンエネルギー戦略は我が国のエネルギー政策のグランドデザインとして策定が進んでいます。様々な政策の具体化に向け審議会、研究会、官民協議会が議論を続けており、今後も注目すべき戦略だと思います。

■ クリーンエネルギー戦略(中間整理)の構成

クリーンエネルギー戦略(中間整理)の構成

 
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