NEDOは、イノベーションの担い手として欠かせないスタートアップに対する支援にも力を入れています。これまでに、NEDO事業を活用した50の企業がIPO(株式公開)を果たしました。
今年度から開始したのが「ディープテック・スタートアップ支援事業」です。2022年11月に政府が決定した「スタートアップ育成5か年計画」をもとに、NEDOに1000億円のディープテック・スタートアップ支援基金が造成されました。支援対象は、経済社会課題の解決への貢献が期待される革新的な技術の研究開発に取り組むディープテック・スタートアップです。ベンチャーキャピタルなどとも協調し、実用化研究の開発や量産化実証といった開発フェーズに応じて最長6年間支援します。
2023年に策定したGX推進戦略で、政府はGX関連分野のスタートアップ企業の支援を強化する方針を示しました。これを踏まえ、2024年度予算ではディープテック・スタートアップのうちGX分野を対象とする支援事業が創設され、NEDOが実施する予定です。
コージェネに関係する事業としては、「水素社会構築技術開発事業」で電気、熱、水素エネルギーの最適制御技術の確立に向けた実証に取り組んでいます。
神戸ポートアイランドに設置した「神戸水素コージェネレーションシステム実証設備」は2018年、世界で初めて市街地における水素燃料100%のガスタービンによる熱電供給を達成しました。2021~2022年度には、オーストラリアで製造した水素を神戸の実証プラントに輸送し、実発電に供給することで、製造から輸送、貯蔵、利用までの一気通貫の流れを示し、地域の水素サプライチェーンの先駆けとなっています。
持続可能な社会を実現するには、サーキュラーエコノミー、バイオエコノミー、持続可能なエネルギーという3つの社会システムの継続的な発展が欠かせません。NEDOはこれを「持続可能な社会を実現する3つの社会システム」と定義し、その土台となるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加えた「ESS」マークとしてシンボル化しています。
この社会システムの前提になるのが、炭素循環社会の考え方です。NEDOはCO2の排出削減、貯蔵・固定化、再利用を考慮する炭素循環という観点で、持続可能な社会の将来像を描いています。
コージェネシステムは、これらの社会システムを構成する重要な要素の1つで、分散型エネルギーシステムとして地方創生の要にもなります。水素のような持続可能なエネルギーを利用できる上、バイオマス燃料の活用によりバイオエコノミーを、合成燃料などの脱炭素燃料の導入によりサーキュラーエコノミーを実現します。今後ますます存在感を増していくことでしょう。
さらに、発生するCO2の再利用や貯蔵を組み合わせ、炭素循環を進めるシステムとしていくこと、すなわち「トリジェネレーション」へと転換していくことが、持続可能な社会の実現には重要と考えています。持続可能な社会を実現するには、アカデミアと産業界のコミットは欠かせません。皆様とともにチャレンジングな取り組みを進めていければと思います。
■ 持続可能な社会を実現する3つの社会システム
