5つの施策について、ENEOSグループの取り組み内容を紹介します。
「化石燃料・製品の低炭素化」の中心は液化天然ガス(LNG)です。石炭を燃焼させた時のCO2排出量を100とした場合、石油は80、天然ガスは57で、LNGは合理的なCO2排出削減策と言えます。
我々はENEOS Xploraという石油・ガスの開発・生産を行う会社を持っています。ENEOS Xploraの代表的な事例が、年間1140万tのLNG生産能力を有するインドネシア最大のプロジェクト「タングーLNGプロジェクト」です。
このプロジェクトはCCUS(CO2の回収・貯留・活用)がセットになっています。インドネシア政府は化石資源で潤ってきた国として低炭素化の動きに敏感です。少しでもカーボンニュートラルに貢献しようと、開発を許可する要件にCCUSの活用等を条件としています。
「再生可能エネルギーの拡大」については、ジャパン・リニューアブル・エナジーという会社を統合して発足した子会社ENEOSリニューアブル・エナジーが、多様な電源開発を行っています。太陽光、風力、バイオマス、太陽光・風力のハイブリッドから成る発電所を日本全国で開発しています。発電所数は全国に126、設備容量は1.4ギガワットに達します。さらに、少しずつ発電所を増やそうとしているところです。
再生可能エネルギーの発電所はかかわる地域住民の方が多くなります。地域の方々の協力を得て、一緒に在り方を考える必要があります。日本の低炭素化、カーボンニュートラル化に貢献していると理解いただけるよう努めています。
「化石燃料の脱炭素化」ではCCS(CO2の回収・貯留)やCCUSを行っています。今、推進しているプロジェクトの1つが、米国の「Petra Nova CCUSプロジェクト」です。大手電力会社NRG Energy,Inc.がテキサス州で操業する火力発電所にCO2回収プラントを設置し、回収したCO2を同じテキサス州内のWest Ranch油田に圧入しています。原油の増産と同時に温室効果ガスの排出量削減を狙うものです。
トランプ政権は水素や再生可能エネルギーの推進には消極的ですが、「掘って掘って掘りまくれ」というスローガンがあるように、CCSについてはまだ積極的です。「インフレ抑制法(IRA)」でもCCS向けの減税は残るようです。
CDR(Carbon Dioxide Removal)と呼ばれる事業にも取り組んでいます。自然吸収を増加する取り組みで、1つは森林吸収です。森林をきちんと管理することによって吸収したCO2をクレジット化し購入するものです。愛媛県久万高原町や新潟県農林公社などと森林活用による連携協定を締結しています。米国の大型森林ファンドにも出資しています。
CDRに関しては、ブルーカーボン創出に向けた取り組みも行っています。藻類の育成を促進し、増えた分をクレジット化する試みです。大分県、山口県で天然藻場の再生事業の協業を始めています。産官学連携で、大規模なブルーカーボン創出に向けた検討を開始したところです。