スペシャルリポート

ENEOSグループの
カーボンニュートラルへの取り組み

合成燃料の技術確立までバイオ燃料を推進

太陽のエネルギーが液体燃料に変わるまで

 

 「バイオマス等資源の利活用」と「水素等の利活用」は一体で進めています。

 化石燃料、バイオ燃料、合成燃料は元をたどれば全て太陽エネルギーからできています。それぞれ、最初に投入した太陽エネルギーがどれぐらい残っているかというと、最初の太陽光を100%とした時、化石燃料はわずか0.008%でバイオ燃料は1%程度です。それに比べ合成燃料は8%です。

 「100入れて8しかできないのか」と思うかもしれませんが、3つを比べたら合成燃料が最も効率が良いということになります。土地が限られている中で、たくさん燃料を作ろうと考えるなら、行き着くのは合成燃料です。

 ただ、技術が確立するまで、当面は現存するバイオ燃料を使う方が早く、コスト競争力も高くなります。プロセス効率は約50%以上で、廃棄物のバイオマスを使えば価格も安く作れます。

 政府もこの状況を理解しています。脱炭素燃料政策小委員会では、「現状、化石燃料がほとんどのガソリンをカーボンニュートラル化していくには、将来的には合成燃料にするのが有効だが、移行期はバイオ燃料を先行させることが必要」という議論になっています。

 我々がまず取り組んでいるのは、廃食油を使ったSAF(持続可能な航空燃料)の製造・販売です。世界中の航空会社が、飛行機から排出するCO2を減らすためにSAFを導入しようとしています。ここに供給するのがスタートラインです。

 課題は、廃食油に限りがあることです。日本全体でも40万tで、そのうち扱えるのは約10万t程度にとどまります。どう調達体制を整えるかの検討が必要です。

 次にバイオエタノールの製造・販売です。バイオエタノールは既に世界で7000万tぐらい作られています。ただ、ガソリンやジェット燃料など世界で使う燃料量は24億tほどに達していますから、全く足りません。世界の農業生産を全てバイオエタノールに振り替えたとしても、2億t強で1桁足りません。

 そこで我々が注目しているのが木質バイオマスです。日本の国土の約7割は森です。森林バイオマスは相当多いものの、現在はあまり活用されていません。古紙にも着目しています。古紙から800万tぐらいのエタノールが作れるとみて、TOPPANホールディングスとの共同開発を進めています。食料と競合しないバイオマス資源の活用を検討中です。

 今年4月には米国でプロジェクトを検討している英国のメタノール製造会社C2Xに出資しました。ミシシッピ川流域は森林資源が豊富です。かつては製紙産業が盛んでしたが、今はデジタル化によって紙の需要が減り困っています。そこで、従来は紙用に使っていた木質チップからグリーンメタノールを作ろうとしています。メタノールはそのまま船舶燃料として使えますし、ガソリンなども作れます。まず、ここからスタートしようと思っています。

 

脱炭素燃料政策小委員会における国案(まずはバイオから)

 
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