スペシャルリポート

[コージェネシンポジウム2017レビュー2]
基調講演
電力・ガスシステム改革の動向と展望

エネルギー供給システムの構造変化を促進

 例えば、電気とガスをセットにして安く売るというカップリングも、今回の自由化によって可能です。電気通信業界では、KDDIが「auスマートバリュー」というカップリングを他社に先駆けて開始した事例があります。固定電話やJ:COMのCATV(ケーブルテレビ)なども含むKDDI系のブロードバンドサービスと、auのスマートフォンや携帯電話とを組み合わせて割引販売を行うことで、携帯回線シェアの向上に大きく寄与しました。

 カップリングについては、独占禁止法の下で考慮すべき点はないかという問題があります。先日に独禁当局である公正取引委員会から発表された、組み合わせ料金のあり方についての見解によると、コストを下回り、意図的に競争をゆがめてはいけないということでした。おそらく、これに対するガイドライン的なものが議論されるのではないかと思います。

 自由化後に、新しいプロダクトが出てくることがマーケットの有用性です。そこが消費者の期待するところでもあるでしょう。システム改革というのは、東日本大震災が大きな起点となって、電気とガスの分野で、こうした流れで進んできたわけです。社会全体で新しいフェーズへ移行したり、新しいイノベーションを求めたりするという意味でも、マーケットにおける価格競争というのは重要ですし、消費者にとって大事なことです。しかし、それだけではなく、やはりシステムとして変わっていかなければなりません。

 昨年、ドイツ電力大手 E.ON 社が進めている、余剰電力を水素に変換してガス 配管網に供給する「パワー・ツー・ガス」を見せていただきました。こうした技術や、あるいは今回のテーマでもある、コージェネによる分散型などの新しい供給システムが広がっていくことがエネルギーシステムの構造変化になります。「システム改革=自由化」ということだけではなくて、供給システム自体の改革なのです。例えば、集中供給と分散型が対抗したり、多様性が確保されたり、関連技術が融合したりすることが、システム改革であると考えます。ガスの自由化が始まることで、電気とガスが平等に自由化されたことになりますが、これを機に今後新しいシステムが生まれてくることを期待しています。

「ガスの自由化が始まることで、電気とガスが平等に自由化されたことになりますが、これを機に今後新しいシステムが生まれてくることを期待しています」(山内氏)

「ガスの自由化が始まることで、電気とガスが平等に自由化されたことになりますが、これを機に今後新しいシステムが生まれてくることを期待しています」(山内氏)
 

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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