柏木:これからのスマートコミュニティではエネルギーとIT(情報技術)が一体化します。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など最新デジタル技術で細かくエネルギーを管理することで、需要側で電力使用を最適化する「デマンドレスポンス」や節電した電力を売買する「ネガワット」なども可能になります。コージェネを導入し、熱導管や電力の自営線、光ファイバーを敷設すれば、再生可能エネルギーを含め、エネルギーを面的に無駄なく使えるスマート&マイクロコミュニティが形成できます。見守りサービス、駆けつけサービスなどの新たな付加価値のあるサービスも出てくるでしょう。
政府は超スマート社会「ソサエティ5.0」を提唱していますが、スマートコミュニティの構築によって、「ソサエティ5.0」がうたう、豊かでゆとりある暮らしが味わえる社会が実現できます。その中でそれぞれの会社がどのような役割を果たそうとしているかをお聞かせください。

「日立は、それぞれの分野の専門企業とアライアンスを組み、住む人、働く人のニーズを満たす街づくりを提案したり、裏方で支えたりしたいと思います」(荒木氏)
荒木:日立は自社が持つIT技術やデータを活用し、サステナブルで環境にも健康にも優しく、効率的で快適な街づくりのお手伝いをしたいと考えています。電気、熱を含め、エネルギーを面的に最適利用し、そこからもたらされる生活の質を向上することを追求していきたいと思います。
日立はデベロッパーではありませんから、街づくりや都市開発を直接的に手掛けられるわけではありません。それぞれの分野の専門企業とアライアンスを組み、住む人、働く人のニーズを満たす街づくりを提案したり、裏方で支えたりしたいと思います。それは日本だけでなく海外においても同じです。すでにフィリピンやミャンマーではプロジェクトに着手していますが、これからさらに成長する国で、政府の力を貸していただき、様々な事業者と手を組み、一緒に都市開発をしていきたいと思います。
柏木:これからの街づくりではブロックチェーン技術の活用も重要です。需要サイド、供給サイド、調整サイドのブロックチェーンが互いにデータを監視・検証し合う。「この家にこの電力を売る」という具合に電力カラーリング(由来別制御)を行えば、電力のグリーン化にもつながります。テクノロジーに強みを持つ日立が得意とする分野ではないでしょうか。
荒木:社会イノベーション事業の拡大を目指す日立にとっては、データをいかにうまく活用するかが重要です。ブロックチェーン技術を使った電気・熱のマネジメントにも挑戦したいと思います。