スペシャルリポート

スマートエネルギー社会と持続可能な街づくり
コージェネ組み込み
脱炭素・強靱化を実現へ

創業精神に通ずるSDGsを積極的に推進

柏木:日立製作所はいかがでしょう。脱炭素に向けてどのような活動を進めていますか。

荒木 由季子(あらき・ゆきこ)氏
荒木 由季子(あらき・ゆきこ)氏
日立製作所 理事 サステナビリティ推進本部本部長
1983年3月東京大学工学部都市工学科卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。米国マサチューセッツ工科大学政治学科留学、科学技術庁(現文部科学省)、国土交通省などへの出向を経て、経済産業省でエネルギー政策、医療・バイオ政策などにかかわる。2008年山形県副知事に就任。12年韓国麗水国際博覧会政府代表を経て12年12月日立製作所入社。都市計画学会会員、生活支援工学会評議員を務める。

荒木由季子氏(以下敬称略):日立はリーマン・ショック後の経営危機をきっかけに「社会イノベーション事業」を事業の中心に据えてきました。デジタル化の技術をすべての事業に浸透させ価値を創出しようと活動しています。

 環境に関しては2016年に「日立環境イノベーション2050」という長期目標を策定。バリューチェーンを通してCO2排出量を2010年比で2030年度に50%削減、2050年度に80%削減するという目標を発表しています。

 日立グループが排出するCO2量のうち、自社グループの工場、オフィス、輸送から出るのは全体の2割弱。残りの8~9割はお客様のところに納めた後の排出です。自社グループ内の取り組みにとどまらず、お客様や社会で発生するCO2削減にも努めようと動いています。具体的にはデジタル技術を活用し、エネルギー、空間、モビリティ、プロダクツの脱炭素化を図ります。

 自社でエネルギー開発にも挑戦するという押味社長のお話は壮大なスケールだと感じましたが、脱炭素に関する考え方は共通するところがあると思いました。お客様のところで発生するCO2を削減することは、自社グループの直接的な削減にはつながりません。しかし社会全体のCO2削減には貢献できます。日立はお客様、エネルギー会社、ビル管理会社など様々な方と協力し、私たちの技術やノウハウ、システムを活用して、その削減に努めようと活動しています。

柏木:確かにお2人のお話は共通しています。これまでは建物や製品で良いものを供給すればお客様も満足してもらえた。ところが、今ではその建物や製品をつくる際、使う際に排出するエネルギーにまで配慮しなくてはならない。建物や製品のライフサイクルを通して物事を考えないと、本格的な脱炭素まで到達しないという考え方ですね。

 国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)についてはどう対応していますか。

押味:鹿島の創業は1840年。今年は180年目を迎えます。この間、鉄道、駅施設、原子力施設、超高層建物の建設、不動産開発事業、グローバル化などの建設事業を通して、安心・安全で快適な社会の構築を目指してきました。

 SDGsに掲げたゴールは私たちが目指す方向性と一致します。SDGsは日本の成長戦略の軸の1つである「ソサエティ5.0」にも密接に関係し、途上国をはじめとした国際社会への貢献に通じる理念でもあることから、積極的に取り組んでいます。

荒木:日立は、今年で創立109年を迎えますが、創業者は当時から「事業を通じて社会に貢献する」と言っていました。その精神はSDGsに通じています。私たちは今もその創業精神のコアを守りながら仕事をしているつもりです。

 SDGsが掲げる17ゴールはどれも私たちの事業に関係するものではありますが、その中で特に会社がコミットするゴールとして「教育」「ジェンダー」「経済成長」「資源循環」「気候変動」「パートナーシップ」の6つ、ビジネスに関係するゴールとして「健康」「水」「エネルギー」「産業」「まちづくり」の5つを取り上げ、重点的に取り組もうと考えています。

 
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