
前谷 浩樹(まえや ひろき)氏
北海道ガス 取締役常務執行役員
前谷浩樹氏(以下敬称略):北海道ガスは分散型エネルギーシステム普及に向け、さまざまな取り組みをしています。家庭用天然ガスコージェネシステム「コレモ」は現在、新築戸建てで4軒に1軒ほど導入いただいています。
札幌都心部では、街づくりと一体となった分散型エネルギーシステム構築にも取り組んでいます。北ガスの本社ビル地下に大型のガスコージェネシステムを設置。地域の熱と電力のネットワークで面的に利用します。都心部で建て替えが進むビルにもガスコージェネを導入し地域全体で使い合います。余剰電力は北ガスが買い取り、都市の低炭素化実現をめざしています。

北海道ガス:分散型エネルギーシステムの将来イメージ
高効率ガスコージェネと太陽熱、地中熱を組み合わせ、1カ所のエネルギーセンターから体育館、高層マンション、医療・福祉施設、健康増進施設など複数街区のさまざまな用途の建物に向けて電気と熱を供給する「スマートエネルギー事業」にも着手しています。エリア内の需要情報をリアルタイムで集約し、最適な運転を図っています。北海道は日本の中でも人口減、地方過疎化が加速度的に進みつつある地域です。北ガスは分散型エネルギーシステム構築の事例を積み重ね、効率的で持続性にすぐれた街づくりを官民一体で進めようとしているところです。

村上 直樹(むらかみ なおき)氏
川崎重工業 執行役員
エネルギー・環境プラントカンパニー エネルギーシステム総括部長
村上直樹氏(以下敬称略):川崎重工業のエネルギー・環境プラントカンパニーは、高効率なガスタービンやガスエンジンなど分散型エネルギー製品単体から、排熱回収ボイラー、蒸気タービン、ゴミ焼却・バイオガス化複合施設などプラント設備全体まで、分散型エネルギーシステム構築を実現する多様なソリューションを提供しています。
日本で初めて既存ビルを含めて地域電気供給・熱供給事業を行う「日本橋スマートエネルギープロジェクト」では高効率ガスエンジンを提供しました。エリア全体の二酸化炭素(CO2)排出量30%削減に貢献しています。
工場向けには電気・蒸気を最適な組み合わせで効率的に供給するガスタービン・ガスエンジンのハイブリッドシステムを提供し、原油換算で21・3%の省エネ、16・2%の二酸化炭素(CO2)排出量削減の例があります。
ガスタービン、排熱回収ボイラー、蒸気タービンから成るコンバインドサイクル発電プラントでは55・2%と世界最高水準の発電効率を実現しています。
エネルギーの地産地消を進めるソリューションの一つであるゴミ焼却・バイオガス化複合施設は、家庭などから収集されたゴミを選別し、バイオガスを発生させ、発電用蒸気を過熱する熱源として利用し、高効率発電を行うものです。再生可能エネルギーを有効活用し、地域活性化に貢献できるシステムだと考えています。