スペシャルリポート

我が国のカーボンニュートラル戦略
「エネルギー革命」を日本の成長・発展の契機に

大規模型・分散型でバランスを取ることが重要

柏木:再エネは「国産エネルギー」とイコールで結びつけられがちですが、必ずしもそうではないと認識する必要がありますね。

 太陽光や風力の大規模化が容易でない日本で再エネを主力電源化するには、気候に恵まれた国・地域で発電し、水素など何らかのキャリアで日本に持ち込むといった仕組みも必要です。化石燃料と同じように、一部の再エネに関しては国際サプライチェーンの構築が求められます。

 ところで、日本では16年に電力小売りが自由化され、現在、新電力会社は全国に700社以上あります。旧一般電気事業者がピークに合わせて大規模電源を設置する構造から、デマンドサイドにコージェネなど小型電源が置かれ、需給に合わせて制御していく合理的な構造に移っていくことは間違いないと思いますが、いかがでしょうか。

田辺:そう思います。かつて旧電気事業者は都市や建物に必要な電力を準備し、秒単位で制御して送っていました。寒い時、暑い時には「電力を多く使うだろう」という見込みで発電をしていました。これからはそこに再エネが入ってきます。夜は発電しない、風が吹かないと発電しないという変動型ですから、スマートグリッドによって電力の流れを需要と供給の両側から制御し最適化することが必要です。調整力を担うのが蓄電池や蓄熱槽、コージェネ、電気自動車など。

 「デマンドサイド・フレキシビリティ」があれば、変動型の再エネもうまく受け入れることが可能です。必要なタイミングで需要を増加させる「上げDR(デマンドレスポンス)」や逆に節電させる「下げDR」なども実現する柔軟性のあるシステムとすることが重要です。時間帯によって適切なマージナル電源も変わるので、そのあり方も含めて適切に評価することが必要と考えます。

小鑓:策定中の第6次エネルギー基本計画において、新たな技術を駆使した分散型電源が重要な柱になることは間違いありません。とはいえ、大規模電源の重要性も簡単に小さくはならないと考えています。大規模電源と分散型電源のバランスが取れた計画を構築する必要があります。

 原発についても逃げずに議論すべきです。安定供給の面からも安全保障上の意味からも、多様性を追求することが大事です。

 
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