スペシャルリポート

カーボンニュートラルに向けたトランジションへの提言
DXとGXを一体化した“異次元の”省エネに
コージェネが貢献

「モノ売り」から「機能売り」で省エネを推進へ

小西 雅子(こにし まさこ)氏
小西 雅子(こにし まさこ)氏
東京ガス常務執行役員
1965年生まれ。1988年お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業。同年東京ガス入社。2016年営業第二事業部長、2019年広域営業部長を経て、2020年執行役員地域本部広域営業部長に就任。2021年執行役員エネルギー需給本部広域エネルギー事業部長、2022年執行役員カスタマー&ビジネスソリューションカンパニー法人営業本部長を歴任。2023年4月より現職。

柏木:トランジション期にまず求められるのは“異次元の”省エネです。デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)の一体化により、ビルや工場、住宅をCEMS(Community Energy Management System)でエネルギー管理する。変動性の高い太陽光や風力をデマンドレスポンス(DR)の実施で上手に使い切り、省エネと省CO2を実現する取り組みが求められます。カギとなるのはデジタル活用です。

小西:東京ガスは、トランジション期にデジタル技術を徹底活用しながら国内外のお客様のCO2を削減しようと3つの取り組みを進めています。

 1つ目が石炭や重油から天然ガスへの燃料転換です。高効率機器の導入や高効率LNG火力発電所の建設などを通し、天然ガスの高度利用を図り、CO2排出量を大幅に削減します。2つ目がスマートエネルギーネットワークの高度化です。これまでも、多くの地域で電力や熱の面的利用をお手伝いしてきましたが、デジタル技術の活用により、さらに地域全体での最適運転を実現します。3つ目がカーボンニュートラルLNGとCCUS(CO2の回収・貯留・活用)です。すべてにデジタル技術を活用し、それぞれのお客様に適したCO2削減の形を提案しているところです。

柏木:家庭用燃料電池「エネファーム」は省エネ効果の高い高効率機器の代表格です。今、どのような販売状況ですか。

小西:私は10年ほど前まで、長く「エネファーム」の営業担当をしていました。当時はまだ価格の高い製品でしたが、環境意識の高い人の購買意欲が高く、そのようなお客さまを中心にご購入いただいておりました。現在、脱炭素社会実現に向けた議論・取り組みが加速する中、五輪選手村跡地の分譲マンションでは、4000戸余りにエネファームが設置される予定です。

柏木:省エネには、「モノ売り」から「機能売り」への転換も必要です。ユーザーが使う機器を定期的に、より高効率な機器にリニューアルすれば、CO2排出量はどんどん減っていきます。リサイクリングにより、サーキュラーエコノミーの実現にもつながります。

森本:カーボンニュートラルの達成には、サーキュラーエコノミーとの組み合わせが重要になります。日本で循環経済を実現するには、柏木先生が今おっしゃった「サービサイジング」や「サブスクリプション」の導入が不可欠です。環境省の環境再生・資源循環局、地球環境局、総合政策局が連携し、問題意識を持って経済産業省と話し合いをしているところです。

 
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