スペシャルリポート

エネルギーの多様化と新しい政策の在り方
多様な取り組みでトランジション期を乗り越えよ

コージェネは優先的に取り組むべき施策

柏木:ここからは国内動向についてお聞きしていきます。小林さんは脱炭素を目指しつつも、リアリティがあり日本の強みが出るのは低炭素だというお考えでした。途上国への輸出なども可能になり、日本の産業の発展にもつながるということでしたがいかがでしょうか。

増山:日本の企業は素晴らしい技術を持っていても出し惜しみしてしまいます。囲い過ぎて陳腐化するというのは、日本企業が犯しがちな失敗です。外に出て行く仕組みが重要です。日本の制度は精緻に作り込まれているので、単品の技術だけでなく、制度や仕組みごとアジアなど他の国に持っていくことも考えるべきです。

 どういう国と協業を組むかも検討する必要があります。かつて、世界貿易機関(WTO)にはITA(Information Technology Agreement)という協定がありました。コンピューター、通信機器などITに関するものは互いに関税をゼロにするという自主的な枠組みです。同様に、環境フレンズというグループがあり、環境に関係する物品の関税をゼロにしようとしていました。

 当時の通商産業省は、この仕組みを活用すれば日本の環境技術が世界を席巻できると、各国に声を掛けていました。今では全く顧みられていませんが、こうした取り組みも重要だと思います。

柏木:エネルギーについての選択肢は削るべきではないというのが私の主張です。「これはダメ」「あれもダメ」とやっていては使えるエネルギーはなくなってしまいます。国民と対話し、意見を拝聴した上で原子力も石炭も活用し、柔軟にベストバランスを探る。百花繚乱のエネルギーシステムが在るべき姿だと思います。

 竹内さんは国内のエネルギーシステムについて、どのようなご意見を持っていらっしゃいますか。

竹内:第6次エネルギー基本計画は気候変動目標に沿うことを最優先した計画でした。「達成すべき計画ではない」と注記があり、「野心的」という言葉が19回も出てきました。「国民の生殺与奪を握るエネルギーの計画がこれでいいのか」という反省の下、第7次はやや現実的になっています。ただ、2050年カーボンニュートラルと整合性をとらなくてはならず、引き続き再エネへの期待度は高くなっています。第6次は“洋上風力祭り”でしたが、第7次は“ペロブスカイト祭り”です。

 これまで進めてきた電力システム改革は、電気料金の高騰、供給力の維持など課題も見えてきています。見直しが必要です。これからは、時間軸を意識しつつ、どのように優先順位をつけて施策を講じるかが問われます。

 分散型エネルギーシステムの要になり、高効率なコージェネの導入は優先的に取り組むべき施策といえます。完全自立のエネルギーシステムまではいかなくても、ちょっとプラスして省エネを促進したり、災害時の助けになったりするような施策を取り入れることが重要だと思います。

コージェネは優先的に取り組むべき施策

 
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