柏木:最後に一言ずつ、意見や提言をお願いします。
増山:国益を考える上でまず重要なのは個人の幸せです。その次に来るのが地域の幸せであり企業の幸せです。それらの上に国益があり、その後に国際益があるという順番です。コージェネのように地域に根差し、熱も電気も生み出す、“いいところ取り”するようなしたたかなシステムは、日本の国益に大いに貢献するものです。
NTTがグローバル市場を取れなかったのは、巨大投資を行って通信インフラを構築するというモデルが、途上国では全く意味がなくなってしまったからです。エネルギーも同じです。巨大な発電所から送電網を引いて一気呵成に電気を送るというモデルは途上国ではもう通用しません。
コージェネを取り入れた分散型エネルギーシステムで電気を安定供給し、個人も地域も企業もみんなが幸せになる。こんな社会をぜひ作っていきたい。そういうシステムが世界を席巻することこそ、日本の国益になると思います。
竹内:エネルギーに関しては、再生可能エネルギーを生むよりも、原発を作るよりも、「使わない」、省エネが一番強いと思います。日本には多くの省エネ技術があります。そういう技術をどれだけ世界に提供できるかが重要です。
ウクライナ危機を経た欧州では、最近になってヒートポンプの導入が急速に進んでいます。先行する日本では2025年3月に家庭用ヒートポンプ給湯器の累計出荷台数が1000万台を突破しました。コージェネも同様です。日本にはアドバンテージがあります。それを認識し、海外でもマーケットを取れるよう、技術を磨き込み、またそれを国内外に発信することが重要だと思います。
柏木:電力システムは需要と供給が「同時同量」でなくてはなりません。安定的なエネルギーシステムのためにはベース電源が重要です。燃料にアンモニアを入れる、天然ガスに変えるなど、まずは低炭素から着実に現実的な取り組みを進めることが大切です。
一人ひとりの個人も、ただ与えられた電力を使うばかりでなく、屋根に太陽光発電パネルを載せたり、燃料電池を導入してゼロエミッションハウスを作ったりと、自分でエネルギーを確保する。低炭素型のエネルギーシステムを全員で作っていくという意識が求められるのではないかと思います。
