柏木:エネルギーセキュリティとカーボンニュートラルについて、最後にまとめの一言をお願いします。
野田:エネルギーの問題は供給サイドと需要サイドの両方があります。今、欧州で需要サイドの省エネが注目されていることはお話ししたとおりです。コージェネシステムなど、日本が培った省エネ技術を世界に広げるチャンスです。他方、供給サイドの再エネ化を進めるにはコバルトやニッケル、リチウムなどの重要鉱物資源が不可欠です。日本はそれらの多くを安全保障や人権問題などの課題を有する国々に依存しており、国内でできるかぎり資源を循環して確保する必要があります。GX、サーキュラーエコノミー、ネーチャーポジティブを一体的に進めることが非常に重要です。それらを総合的に取り組めるのが日本の強さだと思います。
今井:これから水素化やサーキュラーエコノミーの実現には時間がかかります。ただ、脱炭素の流れが変わることはありません。一直線で進みます。エネルギー価格は間違いなく高くなります。それを覚悟した上で、やり方を考えていくことが必要です。
安定供給の中で確実なトランジションを進めていくために、今の段階では1次エネルギーの確保が必要です。カタールとのLNG購入契約は打ち切りましたが、日本としては、ここから4、5年でもいいから1000万tぐらいのLNG購入契約を結ぶ必要があるでしょう。脱炭素に向け、それを水素に転換する時間は十分にあります。
柏木:カーボンニュートラルは長期的に取り組むべき課題です。いかに着実なトランジションを果たすかが重要で、それにはEUタクソノミーのような仕組みづくりも必要かもしれません。
一方、エネルギーセキュリティは毎秒毎秒達成しなくてはいけない直近の課題です。そのためには資源外交への注力が求められます。米国、オーストラリア、アジアの国々と手を組み、国際的な枠組みをつくる。あるいは産油国や産ガス国とはギブアンドテイクの枠組みをつくる。そういう中で日本は新たな展開が可能になり、成長も目指せるのではないかと思います。
